バッチの意味 ページ8
カバンをフックにかけ坂田くんが座る前の机を見ると『坂田 明』と書かれているから坂田くんは前の席。だとすると隣は……男の子が机に座っているから見えない……。
「お、はよう」
セ「おはようさん…って、Aさぁ、どうして今日サボったんですかー？」
「へ？なにを？」
セ「『なにを』て……生徒会の集まりよ。今日7時半に生徒会室集合やったやろ？」
「せ、せいと、かい………生徒会？！私入ってんの？！」
セ「……お前、遅刻の言い訳のセンスないな。もっとそれっぽいのあるやろ。電車が遅れててーとか、おばあちゃんが困っててーとか」
坂「犬に追いかけられてーとかな！」
セ「それはお前だけや」
目を薄くしてじとぉーと見ている『センラ』と呼ばれた少年の襟首には、私と同じバッチをつけている。なるほど、これが生徒会の証らしい。
セ「会長には上手く誤魔化しといたけど、次遅刻する時は一言よこせよ？」
「あ、うん」
？「そこの机に座ってる
セ「うらたん、それは教師としてどうなんですかぁ？それに別に知られてもいいし〜」
坂「センラは頭いいもんなぁ」
セ「坂田はアホやもんなぁ。Aも見かけによらずやし」
急なデットボール。私頭良くないのか……。
坂「次のテストでもどうかよろしくお願いしますね！センラせんせ！」
「お、お願いします！」
セ「ほんま似た者カップルやなぁ。そんなんで来年どうするんよ」
坂「来年はぁ〜………ほんまに来年はどうしよ」
セ「ノープランかい…。そういうところがあほの坂田くんって言われる語源やろな」
「まあまあ、来年のことは来年になってから考えよ！ね？」
坂「そうだなぁ……そうだよな！なんか来年も同じクラスだろうし！」
セ「え、どこ情報？」
坂「オレの感！」
セ「根拠もクソもないなぁ」
坂「だいじょーぶ！オレの感はけっこう当たるから！」
「え、すごい」
坂「やろ？マークシートならほぼ満点のオレならいけるぞー！」
セ「もうそれ野生のなんちゃらやろ」
？「そこ、うるせぇ。罰として数学のノート全員分集めて持ってくるように」
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年1月8日 21時
