断れないタイプのお願い ページ24
「待った待った。ルナさん？がやったらいいよ。私ってほら、姫って柄じゃないし可愛い子がやった方が盛り上がるでしょ」
「ね？」とサイドポニテ強気ガールの方を見ると、すごい睨みのきいた顔をされる。え、貴方の意見に賛成したのに……。
女1「ほら、一世さんもこういってることだしルナどう？」
ルナ「……でも」
女1「これを機会に自分を変えたいって言ってたじゃん」
ルナ「………そうだね、うん。じゃあみんながいいのなら」
女1「よし決まりね！」
おろおろしてた美少女もその言葉に押されてか強く頷いた。ヒロインだなぁー。
男1「姫はルナちゃんとして、じゃあ王子は？」
女2「うちのクラスでルナに釣り合うって言ったら……志麻くん？」
女1「いいね、じゃあ志麻くんにしよう！」
坂「月崎ぁー志麻くーん。……寝てるな。よし、決定」
あーあ、決められちゃったよ。どんまい。
坂「あとは魔女か。誰かやらねぇか？」
女1「はーい、魔女は一世さんがいいと思いまーす」
「え、なんで…」
女1「なんでって、ねぇ？」
再び名前を呼ばれてもう1回同じ反応をする。するとにやっと嫌な笑いを返された。あーあ、かわいいルナちゃんの取り巻きは随分と性格ブスらしい。露骨すぎない？
男1「お、おい、お前らそういうのは……」
女1「なによ、あんたらの大好きな一世さんが舞台に立つのよ？いいじゃない」
またもやもめ出した。やー、私のために争わないでー……と思ったら、後ろの席で寝ていたはずの志麻くんが私の袖を引っ張った。
「え、なに」
志「やれよ」
「はい？」
志「だから魔女。引き受けろ」
「酷なこと言うねぇ……」
志「いいから。信じろ」
初めて会った人を信じられるわけ……あるんだよなぁ。信じないわけにはいかないんだよなぁ。まあこれも親密度を上げるためだと思えばいいか。
「なんかあったら責任とってね」
志「なんかあったらな」
「……はいはーい。いいよ、魔女やる」
男1「まじで？」
男2「いいの？一世さん。無理にやらなくても…」
「大丈夫大丈夫。わっるい魔女を演じますよ。…って言ってもあんまり期待しないでもらえると助かる」
坂「じゃあこれでキャスト決めは終わりな。脚本はオレが努めよう。リーダーはとりあえず委員長と副委員長で。会計はしっかり仕事しろ。あと自分の仕事に責任を持つように。そして各自仲良くな！」
全員「はーい」
どうしたもんかねぇ……。
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年1月8日 21時
