Piece35 ページ36
？「お嬢さんこっちは初めてー？」
「おじょ………えぇ、仕事で」
？「そら大変やねぇ」
「それももう明日と明後日で終わりです。お兄さんはこちらの人ですか？」
？「俺はきょーと。こっちには就職で」
「でしたか。長いんですか？」
？「そーでもないで？ごーろくしち……そのあたり」
「へぇ、割と長いじゃないですか。じゃあこの辺のいいお土産とか知ってます？」
？「名古屋土産か〜。やっぱ赤福ちゃう？」
「ですかね〜」
？「あとは小倉とか、ういろうとか……あ、小倉のクリームサンド美味しいって打ち合わせで好評やったな」
「小倉クリームサンドですか。聞いただけで美味そう」
？「そうそう。素朴な甘さとバターの香り、いい味やった。彼氏も喜んでくれるやろ」
「甘いもの好きだしなぁ、やっぱお菓子系で……って彼氏じゃないですけど」
？「ちゃうんかい。じゃあお友達？」
「友達……いや、友達か？んー……」
？「そんなに悩まんでも…w」
けたけたと笑うお兄さん。ほんとに綺麗な声だな……。
？「まあ、こんなかわいい子に貰うんやったらなんでも嬉しいやろ。あー、ムカついてきた。リア充はとりあえず全員隕石当たらんかな……」
「さらっと不吉なこと言わないでくださいよ。流星群が来たって全員はむりでしょ」
？「やっぱそーかぁー」
「それに恋愛だけが充実じゃないし。現に好きな人といられる時点で私は幸福者ですよ。仕事あるし、さらにそれを応援してくれる人もいる訳ですし」
？「………それは、俺もそう思うわ」
その人は心底愛おしそうに空を見上げた。彼が今思い浮かべている人は、あの月のように暖かな光を持った人だったりするんだろう。
「おにーさん、ちょっとそこ動かないでください」
？「え？」
私はおもむろに道路にしゃがみこむ。肩にかけていたカバンからスケッチブックを取り出して、下に重心があるシャーペンで彼の横顔と月を描いていく。
お兄さんは察したのか何も聞いてこず、のんびりとぼんやりと月を見ていた。
「はい」
？「これは？」
「案内してくれたお礼です。ここからなら知った道なんで行けると思います」
？「そーか。ありがとさん」
「いえ、こちらこそ。では」
ペコッとお辞儀をして、ひらひらと手を振るお兄さんと分かれる。
旅先でもいい出会いがあった。帰ったらそらくんに聞かせてあげようかな。
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ななき。(プロフ) - カジュさん» コメントありがとうございます！仲間思いの皆さんが言ってくれそうなセリフにしてみました！そう言っていただけててうれしいです…(T‐T)頑張ります！ (2020年8月22日 20時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
カジュ(プロフ) - Piece42の終盤のセリフがエモすぎました……掛けられてるの良いですねぇ(*´ー｀*) 世界観に引き込まれる感じがして、とても楽しみに読ませていただいています！ 陰ながら応援しております、更新頑張って下さい！ (2020年8月21日 19時) (レス) id: 4a476ea6fc (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - まーかーさん» コメントありがとうございます！親戚ゆえのタメ語感楽しんでもらえてたらうれしいです！がんばります！！(o^^o) (2020年8月21日 17時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
まーかー(プロフ) - 夢主ちゃんとそらるさんとのやりとりがかわいい...！更新がんばってください(･´ω`･) (2020年8月20日 19時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - Rainさん» コメントありがとうございます！！！そう言っていただけてうれしい！頑張ります！！ (2020年8月17日 14時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2020年8月4日 15時
