その後 ページ22
Aが部屋へ帰り、取り残された狗巻、虎杖、吉野。
狗巻は壁に掛けられている時計を見て納得していたが、虎杖と吉野は短時間で戻って行ったAに少し呆気に取られていた。
Aは喋りかけてくる時、急に切り上げて帰るタイプでは無かったからだ。
2人してはてなを浮かべていると、見兼ねたのか伏黒が声を出した。
「あいつ、22時半には寝るんだよ」
時計を見ると、確かに針は22時半を数分過ぎたことを示していた。
はやっ、と虎杖が驚いた。
確かに、高校生にしては早い就寝時間だ。
「時間が来ると、睡魔が襲ってくるらしい。あと、これでも遅くなった方だぞ。中学の時は22時には寝てたからな」
伏黒が補足した。
「なんつーか、Aって結構幼いところあるよな」
「分かる。僕最初大人びてる印象があったから、虎杖くんと再会して気絶したの見て、びっくりした」
暫しの沈黙のあと虎杖が呟き、それに吉野が同調した。
Aは黙っていれば優等生、というか、虎杖と出会う前は名実共になんの特徴もない優等生だった。
今まで疑問に思われていたが、虎杖のお陰で(せいで)やっぱ呪術師って狂ってんだな、という納得をされたのだった。
Aの幼さは全員に思い当たる節があり、場にもう一度静寂が訪れた。
秒針が5周した後、
「能見くんを守ろうの会を作ろう」
とまさかの吉野が発言した。
ぐるりんを抱えるAを見て、庇護欲を刺激されたのだろう。
各々が頷く。
意外にも伏黒さえも首を振っていた。
それによりその提案は全会一致で採用され、呪術高専東京校男子による、能見Aを守ろうの会が結成されたのだった。
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作者名:月裏 餅 | 作成日時:2022年3月3日 13時