同盟 ページ20
何やかんやあったが、交流会が終了した。
初日は決着が付かず、二日目の野球によって今年の勝者が東京校に決まった。
試合中はずっと悠仁を携帯で撮影していた。彼がいなくなった時には、写真の1枚すら無かった。今度は悠仁を残しておけるように、写真もたくさん撮らなければ。
それに加えて、吉野くんと喋った。
分かったのは、彼も悠仁が大好きだということだ。
彼も彼の母親も、悠仁に助けられたという。
手を振り回しながら語る彼に、自分と同じ波長を感じ取った。
『吉野くん』
おれが声をかけると、吉野くんはぴたりと口を止め、はっとした顔をしておれに視線を合わせた。
彼の片目と見つめ合い、そのまま目で会話する。
どれだけの間そうしていただろうか。
おれは勢い良く車椅子から立ち上がった。
同時に座っていた吉野くんも立ち上がる。
おれたちは無言で、固く握手を交わした。
そしてここに、虎杖悠仁同盟が爆誕したのだった。
・
その後、それぞれ座り直したおれたちは、同盟の内容を話し合った。
同盟の大枠は、
1にお互いが知り得る悠仁の情報を共有すること。
2に純朴な悠仁をやばい人達(主に五条先生)から守ること。
その他は必要であれば順次追加していくことになった。
おれは同担大歓迎派だ。
自分の好きを語れて、共感してくれる人なんてこれまでいなかった。
しかも、吉野くんとは映画の話もしたが、彼は相当なオタク気質だ。
楽しみで仕方が無く、胸が踊った。
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作者名:月裏 餅 | 作成日時:2022年3月3日 13時