〈9〉提案 ページ9
天気も良くて、仕事も順調で事務所も静か。
いつも何かしら絡んでくる太宰さんは国木田さんに引き摺られ、朝から調査へ向かった。
「A、お昼一緒にどうだい?」
『ぜひ。』
声を掛けて頂いて、医務室で与謝野先生と昼食。
「此処にはなれたかい?」
『お陰様で、皆さん優しいですから。』
本当に善くして頂いている。
「そりゃ良かった。毎日太宰に告白されてるね。」
『変な人ですよね。』
「まぁね。」
可笑しそうに笑う与謝野先生は美人女医さん。
「妾からしたらAも本気で嫌がってるようには見えないけど。」
『相手を知らないで拒否し続けるのは失礼ですから。』
言葉で断っているけど、気持ち的には分からない。
「なら、一緒に居てみればいいじゃないか。」
え?
『どういう・・・』
「太宰の事を知るには一日くらい一緒に居てみたらどうだい?」
それはそうだろう。
確かに探偵社かシャボン玉の件くらいの太宰さんしか私は知らない。
ということは、太宰さんもそこで会っている私しか知らない。
『・・・何故、太宰さんは私のことが好きなんでしょうか。』
「好きってのは理屈や理由じゃないからね。」
そうなのかな?
『私には分かりません。』
「ま、そうなった時に分かるさ。」
与謝野先生もそうなったことがあるのかな、先生の笑顔を見れば
『ふふ、そうなりたいですね。』
周りにシャボン玉が現れて、与謝野先生と二人眺めた。
「今、何て言ったの・・・?」
聞き間違えかな。
『与謝野先生が太宰さんと一日居てみては、と提案して下さったので、太宰さんに聞いているのですが。』
「良いのかい?」
『太宰さんがよろしければ。』
後で与謝野先生にお礼の酒を持っていこう。
Aちゃんから離されて依頼の調査に出て帰ってくれば飛んでもなく嬉しい話だ。
「勿論だよ!」
『では明日、よろしくお願いします。』
そうして仕事に戻るAちゃん。
「とっとと報告書に取り掛かれ!!!」
国木田君が叫んでいるのすら小さく聞こえる。
やっと私の思いが届きつつあるのかな。
「ふふ、嬉しいね。」
「ニヤついていないで仕事をしろ、迷惑噴射機!」
『迷惑噴射機。』
「繰り返さなくていいから!」
早く明日になってほしい。
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月宮 柚妃(プロフ) - すずらんさん» バタバタしていただけたなんて・・・さらに幸せな作品なんて言って下さり、感激の涙が止まりません!ありがとうございました!次回作もぜひ、よろしくお願い致します(*^^*) (2017年10月15日 20時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん - 最後まで胸がキュンキュンしました!←ベットの上でクッション持ってバタバタするぐらいです(笑)更新お疲れ様でした!最高の作品が見れて幸せです(*^ω^*)次回作も楽しみにしています! (2017年10月15日 18時) (レス) id: a0b4b6ea5a (このIDを非表示/違反報告)
月宮 柚妃(プロフ) - すずらんさん» コメントありがとうございます!そんな嬉しいことを言って頂けるなんて・・・がんばれます!楽しみにしていただけるなんて・・・(T_T)これからもよろしくお願い致します(*^^*) (2017年10月9日 19時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん - 新しく更新された作品を見るのが毎日の楽しみです!最後まで更新頑張って下さい!応援しています(*^▽^*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: a0b4b6ea5a (このIDを非表示/違反報告)
月宮 柚妃(プロフ) - 味の素さん» 嬉しいです!ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します(*^^*) (2017年10月1日 21時) (レス) id: 92eed36e83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tukimiyayuzuki | 作成日時:2017年9月24日 10時