【文スト】●探偵部●

〈31〉 ページ32

『こんにちは。国木田が福沢先生に確認してくれてるから待っててね。』


大人しそうな可愛い子。


髪も長くて何だかふわふわした子。


「ありがとうございます。」


うわぁ。


『可愛い。』


「え・・・え！？いやいや、高月先輩にそんなこと言われるなんてあり得ません！」


『いや、有り得てるから。』


ちっちゃくて守ってあげたくなる。


『1年生？』


「はい。中島くんと同じクラスの橋山晴菜です。」


『晴菜ちゃんかぁ。』


「・・・よろしくお願いします。」


あれ？


『顔色悪くなってない？大丈夫？』


「大丈夫です！」


気のせいかな。


「橋山、福沢先生は今別教室から動けん。行くぞ。」


戻ってきた国木田。


福沢先生も森先生もいつも忙しそう。


部室に来ることは滅多にない。


それでも皆から慕われている。


私だって大好きだよ。


「高月先輩、ありがとうございました。」


『私は何にもしてないから。早く制御が出来るといいね。』


「・・・はい。」


頭を下げて国木田と出ていった。


『今の子可愛かったよね！？守ってあげたくなる感じ！』


「Aがそれを言うのかよ。」


「相変わらず困ったものだね。」


何で溜め息なんて吐くの。


『はぁ〜・・・。』


「いや、Aが溜め息吐くことあったかい？」


『二人がしたから。』


何なのよ。


『あの子、体調悪くないのかな？顔色悪かったけど。』


「そうだったか？」


「お疲れ様です。」


『ジュンくーん！』


飛び付けば顔が真っ赤なジュン君。


「A先輩・・・っ///あの・・・///」


『やっとテスト終わったねー！今さら顔赤くならないでよ。』


あれ、離されてるし、治に摘ままれてるし。


「谷崎くんが困っているよ。」


「いい加減にしろよな。」


「あの僕は・・・というか、すみません・・・。」


え、何でジュン君が謝ったの？


摘ままれてるから治の顔は見えないし、中也は・・・目線逸らしてるし。


「いや、あとポストにこんな手紙が。」


宛名は無く、封筒にも入っていないノートの一頁を半分に折ったものみたい。


「ンだよ、これ。」


受け取って広げた中也は顔をしかめた。


私達も覗き込めば、そこには綺麗な字で一言


【助けて】

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