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来ないなぁ。
約束の場所に太宰さんは来ない。
来れないかもしれないって言ってたから、きっと忙しいんだよね。
でも、もし来たら・・・。
日付が変わる頃まで待ったけど、やっぱり来なくて。
約束を破らなそうな人だし・・・。
今日は帰ろう。
何だか会えると思ってたから、会えないのが寂しいなぁ。
家までの道のりがいつもより少しだけ長く感じた。
それから私はバイトが終わってはあの場所で太宰さんを待った。
日が変わるギリギリまで。
「最近眠そうだね。」
『すみません！少し寝不足で。』
「仕事もミスは無いから大丈夫だけど・・・何かあった？」
香菜さんに心配をかけてしまった。
『少し心配なことが・・・でも大丈夫です。』
あれから今日で一週間。
太宰さんのことが気になって・・・心配で仕方がない。
バイト終わりにまた彼処へ向かう。
やっぱり居ない。
だけど、帰る気にはなれなくて、座ってまた待つことにした。
事故とか？
ポートマフィアってどんな仕事なの？
想像もつかないから、どれくらい危ないのかも分からない。
でも殺しとかって言ってたし・・・まさか・・・。
いやいや、不吉なことを考えるのは止めよう。
「何してるの？」
顔を上げればつり目の男の人。
「最近ずっと此処にいるよね。」
『人を待っているので。』
「ずっと？もう来ないって。」
何が楽しいのかな、この人。
楽しそうに笑ってるんだけど。
『あの、私のことは気にしないでください。』
「気になるよ。可愛い女子高生がいつも居るなんて。」
『ちょ・・・！』
何で腕掴まれて立たされたの？
「来ない奴なんて忘れさせてあげるから遊ぼうよ。」
『忘れるわけ・・・えっ・・・！』
今度は何！？
体を後ろに引かれた、と思ったら肩を抱かれた格好に。
その人の顔を見て笑みが溢れる。
「この子は私と約束しているのだけど。」
一瞬ピリッとした気がするけど、気のせいかな。
何も言わずにつり目の人は居なくなった。
そうすれば肩は離されて、太宰さんをきちんと見ることが出来た。
『良かった・・・。無事だったんですね！』
「君が無事じゃないところだったね。」
『何のことです？』
「・・・君は一体なんなんだい？」
私何かあったっけ？
『はい？取り合えず太宰さんが無事で良かったです！』
どうしよう、ニヤニヤが止まらない。
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作者名：tukimiyayuzuki | 作成日時：2017年9月23日 23時
