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中原side
彼奴の訓練をして半年が経った。
『体を自分の思い通りに動かせるのが嬉しい。』
ってことで、体力に関しては何とか最低限付いただろう。
体術に関しては、まぁまぁだな。
痣だらけにはなっているが、悪くはない。
体術も楽しいらしい。
体術が楽しいというよりは、出来るようになることが楽しい、が正解だろう。
時間が出来れば直ぐに俺を訓練場に引っ張って行くようになった。
彼奴が他の構成員達から陰口を叩かれているのは知っている。
首領からの処遇だが、納得はしないだろう。
だが、当然のことだ。
甘い世界じゃねェ。
黙らせたければ自分でどうにかするしかない。
彼奴も分かっているだろう。
確か、今日も来るとか・・・
『中也さん!お願いします!』
ほら、来た。
「仕事終わったのか?」
『もちろんです!書類片付けてきました。太宰さんも置いてきました。』
初めの頃は太宰の奴が見に来ていた。
「女の子相手に凄いねー。吹っ飛んでるよ、Aちゃん。」
加減はしながらやっている。
そんな弱っちィ奴らが相手になるわけねェ。
なら、今から慣れなきゃ生き残れねェだろ。
だから、半年間、此奴の怪我が無くなることは無かった。
後は、Aのことで分かったことは
『今度の任務、私の初任務兼ねてになったんです。』
吹っ飛ばされて、壁から出て来ながら言ってきた。
「ほォ。遂にか。」
『太宰さんと中也さんでの任務にお邪魔します。』
奴と任務と聞いて眉間に皺が寄る。
『仲良いですも・・・っ!』
戻って来たAの背中に回り、もう一度吹っ飛ばした。
「何か言ったか。」
思ったことを直ぐに顔に出るだけでなく、よく喋るようになった。
俺の呼び方も太宰のが移ったと言っていた。
『結構大きい組織の殲滅だそうです。』
ヨロヨロと歩いて来る。
「いつだ。」
『明後日22時です。書面は後程お持ちします。』
デカイ組織か・・・あンまり、良い予感がしねェな。
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作者名:tukimiyayuzuki | 作成日時:2017年8月23日 13時