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〈5〉 ページ5

私の刺された傷は全て、お母さんに移った。


辺りが血塗れになった。


「な・・・やっぱり・・・あんたにも・・・嫌な親子・・・死ねば・・・いいのに・・・」


そのままお母さんが話すことはもう無かった。


帰ってきた彼奴は、


「やっぱり解けていたか。チッ。」


その反応に私は驚いた。


この時は、彼奴の仕事も異能力のことも知らなかったから。


その時に聞いた。


お母さんを好きになった、けれど振られて異能力で操り結婚して、私が出来たと。


良い母親であるよう、操っていたこと。


今日の仕事でどうしても操りたい者がいて、だけど既に3人操っていたことを忘れていた。


だからお母さんの異能力が解けて、私を殺そうとしたのだ。


愛してもいない男の子供を作らされ、育てさせられて。


それを聞いた直後から、私は彼奴の人形にされた。


顔が気に入っているからと。


私を娘としてではなく、女として見ていたのだろう。


「将来が楽しみだ。」


気持ち悪い。


その当時ですら、そう思った。


年齢が上がるにつれて、頭や顔を撫でられるだけではなく、体を触られることもあった。


嫌悪感しかなく、ただ気持ち悪さが襲った。


「まだだ。まだお預けにしよう、16になったら最高だろう。」


もちろん私の異能力も使われた。


彼奴が怪我をする度に私に全て移った。


こんな最低な生活、死ぬまで続くのかと思った。


そうしたら今日、地獄の生活が終わった。


死ぬことで終わったのではなく、私は生きている。


願っていたことだった。









「といはうことは、5年振りに自分の意思で体を動かしたわけだ。」


『そうですね。』


顎に手を当て何かを考えている。


「あ。ごめんごめん。自己紹介をしていなかったね。私は太宰治だ。あっちのは蛞蝓。」


「ンなわけあるかっ!このクソ青鯖っ!中原中也だ。」


『Aです。出来れば名前で呼んで頂けると、嬉しいです。苗字、嫌いなので。』


聞けば2人は16才。


私と2つしか違わないのに、大人に見える。


「あとは、殺しをする事は大丈夫かな。」


私が人を殺す・・・ポートマフィアなんだから当たり前だ。


『恐くないと言えば、嘘になりますが・・・それでも、私は生きたいので。仕事をしていないと生活出来ませんから。』


「素直だねぇ。では、取り合えず、明日以降の予定を経てようか。」


紙と私を見て、にっこりと笑う太宰さんに


「さっさと言え。」


急かす中原さん。

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作者名:tukimiyayuzuki | 作成日時:2017年8月23日 13時

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