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〈39〉益者三友 ページ39

自分の家に戻ってお風呂に入る。


まだ少し、頭がぼーっとする。


お湯に浸かり、ある言葉が浮かんだ。


誰かに言われた言葉。


誰だったかな。


ある日言われたんだ。


「君達は《益者三友》だね。」


『何ですか?その難しい言葉は。』


あぁ、広津さんに言われたんだ。


私はそんな言葉を知らなくて、


「益者三友とは、正直な者、誠実な者、博識な者、三人の友を指す言葉だよ。」


『それが私達だと言うのですか?』


「正直者の中原君に、誠実なA君、博識な太宰君。君達の為のような言葉だと私は思うよ。」


私が誠実?


『何か、照れますね。嬉しいです。』


私達の為の言葉だなんて、素敵だなぁ。


まだそうなっていなかったとしても、此れからそう成りたい、そうでありたい。


その時はそう思って聞いていた。


今日は2人に好きだと言われた。


好きと云う気持ちは分からなかった。


けれど、


分からなかったのに、


気付いてしまった。


好きの違いは私が思ったことで間違っていないはず。


2人に応えなければ。


私は大切な2人に誠実に応える。


三人で居たいのなら、応えて伝えなければいけない。


ずっとある言葉のように、私達もずっと関係を続けていく為にも。


太宰さんの為にも。


中也さんの為にも。


自分の為にも。


朝一番に伝えよう。


私の大切な気持ち。

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作者名:tukimiyayuzuki | 作成日時:2017年8月23日 13時

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