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〈34〉 ページ34

サラダもパスタもとても美味しくて、お店で出せるくらいの物だった。


頂いた葡萄ジュースもとても合い、すっかり幸せ気分になった。


食後、大分お酒を飲まれた中也さんからの話は先程まで仕事の内容で、如何に真面目に仕事をしているかが伝わってきた。


ある話から徐々に話は逸れていき、


「ってぐらい、厭な奴なンだよ彼奴はっ!」


太宰さんへの愚痴だった。


弄ばれている愚痴から始り、もう数時間聞いている。


だけど、段々と酔いも回ってきたのだろう。


ウトウトしては少し話す、を繰り返しになってきており、勝手ながら食器は洗わせて頂いた。


「ンなもン、適当に置いとけよ。」


『いえ、美味しいご飯をご馳走になったんです。これくらいさせて下さい。』


中也さんを見れば、また夢の中に行っている。


『中也さん、私、帰りますね。』


「ぁー・・・。」


返事だと受けとることにして、隣の自分の家へと戻った。









何故だろう。


あれから仕事後は、太宰さんか中也さんと居ることが多くなった。


数カ月の間に大分仲良くさせて頂いている。


織田さん、坂口さんともよく話すようになった。


今日も太宰さんに誘われてlupinで飲んで2人で帰っている途中だ。


『お酒強いですよね、太宰さん。』


「中也と比べているのかい?」


確かに中也さんはどちらかと言えば弱いだろうな。


『そういうわけじゃないんですけど。変わらないですよね。確りしてると言いますか。』


「そうだねぇ。」


何かを考えている顔は月に照らされて、綺麗。


『何を考えているんですか?』


「何だと思う?」


『・・・分かりません。』


太宰さんの考えを補佐になってからは、特に理解しようと思っているが、全然と言えるほど分からない。


と、答えると目の前には太宰さん。


今までにない、鼻と鼻がくっつく距離だ。


『なっ・・・・・///』


「教えてあげるよ。」


唇に温かいものが重なり、それが太宰さんの唇だと分かるまでに数秒掛かった。


離れた太宰さんの笑顔は優しいもので、


「Aちゃんのことを考えているのだよ。」


溶けてしまいそうな、甘い声が耳元で響いた。

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作者名:tukimiyayuzuki | 作成日時:2017年8月23日 13時

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