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「此方だね。」
着いたのは海辺の小さなオフィス。
後ろに着いていた別の車から、中也さんと黒い外套を纏った少年が出てきた。
「Aちゃん、彼が芥川君。」
この人が新しい部下の人。
『っ!』
すっごく睨まれた気がする・・・気のせいかな。
『初めまして。太宰幹部の補佐をしている星宮Aと言います。以後、よろしくお願いします。』
「・・・僕は芥川。貴様の事は太宰さんから聞いている。」
えっと・・・嫌われている。
たぶん。
太宰さんから聞いているって・・・何を言ったのだろうか。
「私はAちゃんの方が仕事をしっかりするから、見習うよう言っただけだよ。」
全然分からない。
『何か・・・すみません。気に入らない所があれば言って下さい。しかし、今回は任務は任務ですので、一緒に完遂したいです。』
目は逸らされたけど、反論がないところ、了承してくれたのだろうか。
「ったく。さっさと済ませるぞ。」
中也さんと芥川君で建物を破壊し、頭を叩く。
構成員達は銃撃戦にて外で他の奴等に対応する。
此方の構成員が受けた致命傷は私が常に相手側に移していく。
これ以外に何かあれば、その都度指示を出される。
破壊されていく音が任務の開始を告げる。
出てくる奴等との銃撃戦のすぐ後ろの真ん中辺りにいる私の隣に立つ、太宰さんが気になる。
本当に任務で嗜好を出すのは止めてほしい。
私の心臓に悪い。
矢張り、被害は出始めて相手側に移していく。
精神力が削られるので、集中することが大事だ。
あまりに沢山やると体力も削られることが、拷問対象のお陰で判明しているので、タイミングを間違えずに見極めて能力を使っていく。
それにしても、本当に全員体が大きい。
格闘家なだけある。
水飛沫と2人の動きが見えるところ、未だ苦戦しているようだ。
頭に移したいけれど、姿が確認出来ないのでそれが叶わない。
本来なら、そうすることが逸早く任務を終わらせられるのだけれど。
―――――――え。
目の前には大きな水の壁。
次の瞬間には水の中に居た。
苦しくて苦しくて、気が遠くなりそうになった時に空気に触れた。
体は水の中のままだ。
周りを見れば、太宰さん以外の全員が私と同じ状況下におかれている。
「此れはまた、どうしたものか。」
顎に手を当て考えている所を見ると、何か策が在るのだろうか。
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作者名:tukimiyayuzuki | 作成日時:2017年8月23日 13時