【文スト】●益者三友●【双黒・中也】 (ページ22)

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『御迷惑をおかけしました。』

頭を下げれば良いということではないが、下げずにはいられない。

「落ち着いたのなら良かった。」

「じゃ、酒でも飲むか。」

聞き間違えだろうか。

『未成年ですよね。』

「ポートマフィアに其れを言うか。」

「Aちゃんは？」

『飲みません。』

私は15だし、この2人だって17歳の筈なんだけど。

「A、付き合えよ。」

そう言われたら、今の状況で断れるわけがない。

「抜駆けは良くないよ、中也。」

こうしてお騒がせしたお詫びに、お2人のお酒に付き合うことになった。

私の家で。

確かに同じマンションだし、2人の間の部屋だけれど。

「うわー何も無いね。」

「生活出来てンのか？」

『特に必要な物が無いんです。それと、きちんと生活してますから。』

その後は2人は持ってきたお酒を各々飲み進め、私はお茶とジュースで対抗した。

お酒の席で分かったことは

「おいA！手前、勝手に居なくなったりすンなよ！」

『何処へも行きません。』

顔をほんのり赤くして、徐々に絡まれていく。

「思ったことは言え！」

『分かりました。』

中也さんがお酒に弱いということ。

「本当に弱いよね、中也。」

淡々と飲み進める太宰さんはお酒に強いのだろうか。

数時間前はお2人にとんでもないことをしたのに、そんなことは無かったかのように感じる。

しばらくすると、中也さんは動かなくなってきた。

「Aちゃん。人殺しが辛いのなら、そういった任務からは外そうか。」

直属の上司だからこそ、配慮出来ることだろう。

『ありがとうございます。大丈夫です。』

「そうかい？あ、今度、バーに飲みに行こう。私の友人に会わせたい。」

酔い潰れて動かない中也さん。

『ご友人ですか？』

「うん。」

太宰さんのお友達って、どんな人だろう。

世が更けていくと共に、瞼が重くなっていくことに逆らえなくなる。

「疲れただろう。ゆっくりおやすみ。」

『おやすみな・・・さい。』

限界だった私は、優しく撫でられる頭が気持ち良くてそのまま眠りについた。

頬に優しい柔らかな感触があったことを私は知らない。