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『おはうございます。』
「おはよう。」
『きゃあ!!』
執務室へ挨拶をして入れば、後ろから耳元で返ってきた。
ポートマフィアで過ごすこと1年が経った。
叩かれていた陰口も、無くなった訳ではないが随分と減った。
技術面も前よりも動けるようになった。
中也さんに追い付くには、全然遠いけれど。
太宰さんには・・・慣れない。
いつも急に現れるとことか、
新しい方法を試したり、
別人のような仕事時の顔、
いつも何かを考えていること。
慣れない、というよりは私の頭の次元では追い付かない思考の持ち主。
決して悪い意味ではない。
「何々、私のことを考えてくれているのかな?」
『そうですね。心臓に悪いです。』
「わぁ、可愛いこと言ってくれるね。」
椅子に腰掛けて、何かの書面に目を通しはじめた。
私も、机の通信機の電源を入れて書類を整理する。
「Aちゃん、気になっていたことがあるのだけれど。」
『はい。』
顔を上げて見れば、鷲色の瞳に視線を奪われた。
此方に投げる目線は真剣そのもの。
頭には警報が鳴り響く。
「Aちゃんは」
聞きたくない
「何を考えないようにして」
聞かなければならない
「何を隠して」
触れて欲しい
「何を知ってほしいのかな。」
触れないで欲しい
『っ・・・・・!』
「蓋をあ・・・」
そこまでが限界だった。
まるで頭の中に私が2人いて、言い争いをするようにぐちゃぐちゃになっている。
これ以上は耐えられないと思った。
今、この時間は使われていない訓練場に走った。
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2017.8.26 月宮 柚妃
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作者名:tukimiyayuzuki | 作成日時:2017年8月23日 13時