〈14〉 ページ14
異能力＿変リ身ニ
太宰さんが受けた傷を全て、大柄の男に移す。私の足の怪我を眼鏡男へ。
「うぁ・・・っ」
弛んだ陰から抜け出し、太宰さんの所まで走る。
周りにはこの組織の増援が100近くだろうか。
「指示するまでここで待機だ。」
『はい。』
黒い光を宿した瞳と笑み。
糸を振り払い舌打ちをする中也さん。
「クソ太宰！遅れンなよ！」
「勿論だよ。」
「後で覚えとけ！！」
手袋を外して
「汝、陰鬱なる汚濁の許容よ。更めてわれを目覚ますことなかれ。」
そう唱えた後、凄い風が巻き起こり、かと思った瞬間、爆発音。
「今だ、出るよ。」
掛けられた言葉に返事をして、急いで外へ出る。
建物は崩れ、赤い海が所々見てとれる。
あの3人は陰に守られ、未だ立っていた。
しかし、その目の前には・・・
あの姿、中也さん？
見たことがない姿だった。
目は光を失って、体には血の様な紋様が浮かび上がり、手には黒く光球体。
「あれが中也の異能力の本来の姿だよ。汚濁形態。圧縮した重力子弾で破壊する。本人は自我を失って制御出来ないのだけれど。」
『あれが・・・。』
ただ、破壊を繰り返す中也さん。
普段の中也さんからは想像がつかない。
建物も人も全てを破壊していく。
「制御出来ないから、体が壊れるまで破壊を続ける。」
『そんな！』
「だから、私が居るのだよ。」
そう言って、建物の破壊を続ける中也さんへと向かって行った。
「お疲れ、中也。」
後ろから中也さんの手を掴むと、瞳には光が戻り、その場に崩れた。
『中也さん！』
慌てて2人の元へ駆け寄ると、体への負荷を目の当たりにした。
体の色々な所から血が流れ、口からは血を吐いた。
「ったく、遅せぇン・・・だよっ・・・。」
「いやぁ、面白くて。」
「手前なぁ・・・っ！」
この2人は凄い。
お互いに信頼しているし、お互いを必要としている。
敵など存在しない、無敵にすら感じる。
この任務は後に、
【双黒】
と呼ばれるきっかけとなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつもより、更新時間が開いてしまい、
申し訳ありません。
少々バタつきまして。
更新停止は有り得ないので、
よろしくお願い致します。
2017.8.25 月宮 柚妃
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：tukimiyayuzuki | 作成日時：2017年8月23日 13時
