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〈2〉 ページ2

気付けば倉庫内は、私達以外は立っていなかった。


この2人と銃を持つ人達を除いて、だけれど。


2人の内1人は最後の商品にされていた人だ。


男の人だったのか。


「ポートマフィアか。お前ら小僧如きに俺が負ける訳がない。この能力は最高だ。」


憎い能力。


「知っているよ、それくらいすぐに分かるさ。君の能力は触れた相手を3人まで操れる異能力だ。」


そう。


だから私も操られ続けている。


「分かった位でどうにか出来るのか?」


「相手に為らない。」


私以外の2人が向かって行き、私は彼奴の手を取り扉まで走る


はずだった。


2人は殴り跳ばされて、私の腕は包帯を巻いた男の人に掴まれ、私の繋がれた彼奴の手に触れた。


「男の手を触る趣味は無いけれど。」


何が起きたのかと、私は男の人を見上げた。


・・・・・え?


見上げられた。


私の意思で、体を動かせた。


慌てて両手を握る。


動かせる、動いた。


私は掴まれている手を払って、あの女の子の所へ走った。


まだ息がある。


彼奴とあの2人が話していることなど、耳に入ってこない。


『痛いよね、ごめんね。』


「いた・・・い・・・」


この子じゃなくて、彼奴が受けりべき弾だったのに。


傷が彼奴だったら、


彼奴が


彼奴に!


「ウァ・・・・・っ」



「いたく・・・ない・・・」


女の子は笑って動かなくなった。


出ていた血は止まったのに、傷は無くなったのに。


あぁ・・・そうか。



傷が無くなっても、血が流れ過ぎたのか。


『間に合わなくて、ごめんね。』


女の子の瞼を閉じて、彼奴に向かった。


「どうなってやがる。」


「この少女も異能力者だ。情報から予測はしていた。」


血の海が出来ていく。


「ただの・・・人形が・・・!母親殺しの・・・人形が・・・!」


『さようなら。』


もう、すぐに死ぬだろう。


私はあの2人と向い合った。


足は震えるが大丈夫。


『私も殺すんですよね。出来れば一瞬でお願いします。』


商品を持つだけだった女性達も殺されている。


頭の娘の私が助かる訳がない。


「残念ながら、君を殺せないのだよ。私達と来てもらうよ。首領からの命令だからね。」


「ったく、さっさと来いよ。」


理解が追い付かない。


殺されない?


連れて行く?


『どこに・・・ですか?』


「ポートマフィアだよ。」


この包帯の人、笑っているように見せているだけで、目が笑っていない。

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作者名:tukimiyayuzuki | 作成日時:2017年8月23日 13時

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