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鍵を閉め、アパートを出ると、車の中から手を振って下りてきてくれた。


『おはようございます。』


「おはよう。朝早くて悪い。」


『朝は得意だから。』


「荷物、貰う。」


『ありがとう。』


荷物を乗せてもらい、車に乗り込む。


『迎えに来てもらっちゃって大丈夫だったの?』


「朝早くと頼んだのはこっちだ。これくらいさせてくれ。」


早朝の神社は普段以上に神聖な空気が流れている気がする。


案内された綺麗な和室。


「合宿中はここを使ってくれ。」


『分かりました。』


「それでだが・・・。」


「雅貴、今日って・・・。」


現れたカメラを持った人。ばっちり目が合っている。


「いやいやいやいやいや。」


「おい。」


「女を隠してる途中・・・。」


「違う。」


そんな風に見えるんだ。


「うちの巫女。」


「職権乱」


「違う。」


仲良い・・・んだよね、たぶん。


軽く私のことを説明してくれた。そして、この人はお兄さんだそうだ。


『はじめまして。入枝Aと言います。』


「俺は蓮。滝川蓮だ。いやー、まさか雅貴に・・・。」


「蓮。」


「はいはい。」


『よろしくお願いします。』


「こちらこそ。」


「蓮。Aがここに来てること、部員たちには内緒だからな。」


「そりゃまた。手伝いなんだろ?」


『すみません、私のせいなんです。』


気を付かわせてしまった。


「いや、理由があるんだろ。それを聞くほど俺は野暮じゃないさ。そろそろ来る頃だろ。俺も構えてるよ。」


「頼んだ。」


『なんか・・・ごめん。』


「言っただろ。頼んでいるのはこっちだ。それでだが・・・。」


渡されたやることリストに目を通し、まずは布団を干すことから始めた。


聞こえてくる弦音に合宿がはじまったことが分かる。

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作者名:月宮 柚妃 | 作成日時:2023年3月26日 19時

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