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目を惹く桐先高校の選手も居たけれど
『凄い!』
「やったな。」
風舞は優勝、全国大会出場を決めたのだった。
「湊にバレた。」
『それはそれは。ちゃんとお祝いしてきてあげて。』
「行くぞ。」
『私も?』
「言っただろ、湊にバレたって。」
それは私も含まれるの?
「ほら。」
背中を手で押されて、一緒に皆の元へ。
「お疲れ様です。」
『お疲れ様です。』
森岡先生と蓮さんに声を掛け、皆が喜んでいる姿に頬が緩む。
「やったな。」
「マサさん!!」
皆と嬉しそうに話す雅貴さん。私の所にも皆が来てくれて、おめでとうとお疲れ様を伝える。
「また観に来て下さい、入枝さん。」
湊君があまりにも必死に伝えてくれるから
『ふふ。』
可笑しくて。
『勿論。』
「良かった。」
『ありがとう。』
皆が帰るのを見届けて、雅貴さんが病院に戻るので着いてきた。勿論、怒られた。
無事に退院の手続きを済ませ、神社の弓道場へ。
フウに挨拶をして、お茶の準備をしていると、話声が聞こえてきた。そっと覗くと、湊君が来ていた。私が出て行ったら邪魔になる。
ゆっくりとお茶の準備をして、水回りを少し片付けたりと話が終わるまでのんびりすることにした。
「終わったぞ。」
『うわっ。』
びっくりした。
どうやら、中で待っていたのは分かっていたみたいで、呼びに来てくれた。
『おめでとう。』
「あぁ。」
射場に腰かけて外に足を出す。
お茶で乾杯し、優勝という結果をお祝いする。
『退院もおめでとう。』
静かな夜の道場。フウは柵の上で目を閉じて休んでいる。数日なのに久しぶりに感じる。
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作者名:月宮 柚妃 | 作成日時:2023年3月26日 19時