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〈43〉 ページ43

「お取り込み中か。」


「違う。」


『は!?』


待って、この状況って・・・。


「雅貴、元気そうで何よりだ。」


「あぁ。ただ、待て。何か勘違いしてるだろう。」


『こ、これは私が落ちそうになって・・・!』


「そういうことだ。」


「まぁどっちでも良いんだよ。」


立ち上がり、側まで来てくれた。雅貴さんはそっと蓮さんの元へ。


「良かった、本当に。」


「心配掛けて悪かった。」


『すみません。』


凄く心配して来てくれたんだ。


「精密検査が終わるまではこのままだ。」


「そりゃそうだ。しっかり検査してもらえ。」


2人が並んで笑顔で話しているのを見ているとホッとする。


『やっぱり、そっくりですね。』


「前にも言われたな。」


『・・・言いましたか?』


「蓮。」


「っと。まぁまぁ、それはいいとして。」


良くない、絶対良くない。


「蓮、彼奴らのとこ、頼めるか?」


「あのなぁ・・・。」


『っ!』


気付かなかった。今はもう昼間・・・事故は夜だったのだから・・・今日は県予選───!


「分かった。今からだと・・・。」


「それでもだ。」


「任せろ。」


『お気をつけて。』


「おう。」


笑顔で急ぎ出て行った蓮さん。


『大会・・・。』


「やることはやってきたんだ。」


『そうだね。きっと風舞の皆なら大丈夫だよね。』


「俺は一度、病室に戻る。」


『うん。』


「大人しく休んでるんだぞ。」


『わかってる。』


「すぐ報せる。」


『ありがとう。』


どうか彼等が自分の射を出来ますように───。


外を舞う葉にそう思いを乗せる。

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作者名:月宮 柚妃 | 作成日時:2023年3月26日 19時

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