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・・・何を・・・。
「・・・って言ったらどうする?」
『・・・えっと。』
「ごめん。こういうこと言うような人間なんだよ、俺は。だから、気を遣ってなんて思わないでくれると嬉しい。」
その笑顔は何だか変な感じがした。
「頭に浮かんだろ?」
『!』
「あ、どうする?」
指されたグラスは空で。
『・・・頂きます。』
「じゃあ、また甘いやつ何か頼んでみよっか。」
───頭に浮かんだろ?
・・・それは・・・。
「とりあえず、美味しい物が一番だって話。」
差し出されたカクテルは落ち着いた綺麗な・・・雅貴さんの瞳のような色───。
爽やかで、それでも胸が焼けるような・・・。
『何も出来ないことが』
何て言えば良かったのかな。
『悔しくて』
何か出来ることはないのかな。
『寂しいと思ったんです。』
何も出来ない私・・・。
「そうとは限らないんじゃないかな。」
お酒のグラスを揺らし、氷の音を響かせている。
「そんな風に考えてくれることは嬉しいことだよ。それに、」
その顔は
「案外、既に力になっていたりするもんだよ。」
雅貴さんに似ている笑顔だった。
それからは、蓮さんから見た風舞の皆の話を聞いたり、嘘か本当か分からない雅貴さんの話を聞いたり。
『蓮さん、ありがとうございます。』
頭がフワフワする。でも、今回は3杯で止めた。
「こちらこそ。ちょっと待っててくれる?」
『はい。』
瞼が重い。眠くなってきてしまった。
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お読み頂きありがとうございます。
現在42話を執筆中で50話以内に完結予定です。
次回作【ツルネ】か別作品にするかをどうしようか検討中です。
2023.4.15 月宮 柚妃
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作者名：月宮 柚妃 | 作成日時：2023年3月26日 19時
