【ツルネ】●溶け込むココロ●【滝川雅貴】 (ページ33)

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『わぁ!』

目の前には、可愛らしいカクテル。

「甘いし、俺からしたらジュースみたいなもんだ。ま、とりあえず乾杯しよ。」

カラン

蓮さんのお酒の氷が良い音を奏でた。

『美味しい!お酒とは思えないです。』

「それは良かった。」

『お酒は控えようと決めていたんですが。』

「この間ので?」

『・・・え?』

・・・待って。

『何で知ってるんですか?』

「あー、やっぱ記憶に無かったか。」

『お会い・・・してたんですか?』

「あぁ。雅貴から聞いてないのか?」

聞いてない・・・。これ、完全に何かやらかしてしまったのでは・・・?

「・・・なら、俺から言えることは一つだな。」

『一つと言わず、全部教えて下さい!』

「可愛かったってことだけだな。」

一体何が・・・!

「おー、真っ赤だ。」

顔が熱い。

「まぁさ、それは置いておこう。」

『私、お酒止めようかな・・・。』

「なら、今日が最後にすればいいよ。」

それは、どうなんだろう。量を抑えることはきちんとしよう。

「何だか雰囲気変わったね。」

『そうですか?』

「心境の変化とか?」

『それは・・・あるかもしれません。』

美味しいカクテルは気持ちを落ち着かせてくれた。

「何がきっかけであれ、良い方へ向くっていうのは良いことだ。」

『はい。』

「折角の可愛い顔を曇らせてるのは、何かあった?」

そんな顔をしていたんだ。

『気に掛けて連れて来てくれたんですか?』

「それは口実だよ。単純に俺がAちゃんと飲みたかったんだ。」

『私と、ですか。』

接点があまり・・・やっぱり酔っぱらった時に何かしたのかな。

「そ。だから気を遣ってとかじゃない。そこに付け入ろうかな、って。」

・・・優しい人。きっと、コンビニで酷い顔をしていたんだ。

「好きになっちゃったから。」

・・・え?

─────その言葉から頭の中に浮かんだのは・・・。