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〈27〉 ページ27

「こんな素敵なお姉さんが来てくれてるって知ってたら、テンション上がったのにー。」


・・・待って。あの話は七緒君のことだったのかな。雅貴さんの方を見れば・・・笑っている。


「今日は無理を言って、お礼を言わせてもらう為に来てもらったんじゃよ。」


『無理だなんて、遅くなり失礼しました。』


「さて。片付けだ。」


「「「はい。」」」


テキパキと片付けをはじめる皆。


「迷わなかったか?」


『曲がるところ少なかったから。』


「そうか。」


『綺麗な道場だね。』


「あぁ。」


「使用されていなかったとは思えんじゃろう。」


『はい。』


ずっと誰かが来るのを待っていたのかな。だとしたら、良かった。それに・・・皆を見てると───。


「ほっほっほ。」


「・・・何を考えているんだか。」


「悪いことではないじゃろう。」


「まぁ、顔を見れば。」


『え、何。』


気付いたら雅貴さんに凄い見られていた。


「何がそんなに嬉しいんだ?」


『え。』


それはこっちの台詞。何で笑っているの。


「さて。戸締りは任せて良いかの。」


「勿論です。」


「入枝さん、またの。」


『はい、ありがとうございます。』


片付けを終え、帰り支度がバタバタとはじまった。


「えっと・・・入枝さん。」


『はい。湊君。』


声を掛けてくれたのは鳴宮湊君。帰り支度を終えて皆を待っているみたい。


「名前、もう覚えてくれたんですか。」


そんなに驚かなくても。


『ごめんなさい、勝手に話を聞いていたから名前は覚えているの。だから、自己紹介してくれた時は答え合わせみたいで。』


「話って、マサさんに?」


『うん。』


「それって、良い話?悪い話?」


「湊、何話してるの。」


静弥君も支度が終わったらしい。「嫌い」とコーチに言った本人。


「マサさんが俺らの話を入枝さんに話してるって話。」


「え。」


『ふふっ。』


凄い目で雅貴さんを見ている。

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作者名:月宮 柚妃 | 作成日時:2023年3月26日 19時

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