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神事当日───。
私は社務所でお札の準備をしている。務めを終えた雅貴さんが戻って来た。
「じゃあ、頼んだからな。」
『はい。』
来る方々へお札を渡していく。
「お願いします。」
眼鏡を掛けた礼儀正しい子が引き連れている団体様。
「神頼みなんて俺らには必要ないね。」
「そーそー。」
「こら、お前ら。失礼だぞ。」
「大変失礼しました。」
『いえ。』
賑やかな彼らは何かの選手なのだろうか。
「お願いします。」
そばかすのある元気な男の子。
「ほら、かっちゃん。マサさんのお札だよ。」
「俺が受け取る。」
「ご利益があるお札か。」
マサさん?雅貴さんの知り合い・・・にしては・・・あれ、まさか。
『はい。』
「ありがとうございます。」
風舞の子・・・だったりして。
お札はあっという間に無くなった。
その後は片付けと戸締まりをする。
「お疲れ様。」
『お疲れ様。』
無事に神事が終わりホッとする。
『片付けするから。』
荷物を持って帰る為、一度宿舎に戻らなければ。
「あぁ。送っていく。」
『いいのに。』
「俺が送りたいからいいんだ。」
・・・ずるい。
『ありがとう。』
「お、随分素直だな。」
荷物を車へ乗せて貰い、走り出した。
「本当は帰したくないんだけどな。」
『・・・はい?』
「下着泥棒が出ているらしい。」
あぁ・・・なるほど。心臓に悪い言い方をしないで欲しい。
『ご心配ありがとう。』
「本気で心配してるんだからな。」
『うん、ありがとう。』
何をドキッとしたんだろう、私。
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作者名：月宮 柚妃 | 作成日時：2023年3月26日 19時
