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月島side
「もっと早く言おうとも思ったんだけど、正式に決まってから伝えたかった。」
曖昧なまま伝えたくなかった。
『うん、うん。』
え、ちょっと
「何で泣くの!?」
涙が零れた瞳から次の涙が零れる前に急いで指で拭った。
『ごめん、大丈夫だから。』
そう言うAの笑顔は
『嬉しすぎて。』
嬉しさが溢れているような笑顔。
「そんなに嬉しいの?」
『すっごく。』
「そう。」
自分のことのように喜んでくれている。
『蛍のバレーを観られることも、蛍がバレーを大好きなことも。』
「好きだなんて言ってない。」
『ふふ、分かってる。』
「▪▪▪分かってないやつじゃん。」
顔、緩みすぎ。
『練習量凄いんだろうな、と思ってたから納得した。』
「何で。」
『Tシャツの数、少し多いなって。』
「あぁ。」
確かに着替える回数は多くなったから。
「僕も気になってることがあるんだけど。」
『え、なに?』
「お菓子、多いというか増えてない?」
『それね、会員さんから貰ったやつ。』
会員って
「通ってる人?」
『そう。差し入れ。』
それにしては数が凄い。
「何でお菓子ばっかり?」
『好きなもの何って聞かれて甘いものって答えたからだと思う。』
聞かれて答えてってことは
「全部同じ人からってこと?」
『そう。いいですって言ってるんだけどね。』
「▪▪▪。」
『蛍?』
絶対、好意だ。
「それ会社的に良いの?」
『いいって。』
チッ、駄目なら良かったのに。
『蛍?あの、本当に何にもないからね?』
焦るA。
もちろん
「わかってるよ。」
Aのことは。
ただ、そのお菓子を渡している人物のことは別。
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作者名:月宮 柚妃 | 作成日時:2021年8月11日 20時