伍拾陸話:無いからさ ページ6
『ふぅ…』
うちはあれから急いで全員を体育館に集め、呪霊対用の“薬”を全員に打った。
国見「おつかれ」
『ひゃっ!?』
首元にはキンキンに冷えた緑茶。
『ありがと』
疲れたので、つっこまずに素直に受け取っておく。
国見「木兎さん大丈夫かな」
『症状が通常よりも酷かったから…もしかしたら研磨が憑かれる前からだった可能性がある。研磨も重症だけど、木兎さんが一番重症。木兎さんは体力があるから、ギリギリまで耐えられたけど研磨も戻ってきて安心した瞬間に爆発した感じだ。』
国見「そっか…あのさAは大丈夫なん?」
『え?』
国見「…大丈夫な・の?」
圧が凄いよ国見…
『大丈夫に決まってるだろ、多分…』
国見「Aも打て下さい」
『分かった分かった、打つから手ぇ離せ』
そう言ったのはいいものの
実質もう"無い"
当たり前だ。合宿に来ている全員に打ってしまったんだから。
打てないよ
無いからさ?
そうやってうちはまた平然を冷酷を装ってみんなの前へ出ていく。
彼らは優しいからこの事知ったら怒るだろう
特に国見には
だって打ってって言ったのは彼なんだから
自覚は無いだろうけど金田一と岩泉さんを心配して木兎さんも研磨も。みんなを心配するほど優しい彼はうちには眩し過ぎる。
うちはそこまで優シい人間ジャナイかラ。
うちハ消えちゃうクライ弱いんだ。
アレ?
〈ガチャ〉
国見「ねぇ大丈夫?遅いから来たんだけど」
『ウン、大丈夫ダヨ』
ネェ、ウチハ、ワラエテル?
国見「A!何してんの!?」
ウチがナニしてるか?ナンダロ…ワカンナイ。
国見「そんなことしたら死んじゃうよ!!」
シンジャウ?何言ってンノ?
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う。
これはうちじゃない
助けて…苦しいよ
『助け、て…くに、み…』
国見「助けてやるから!〜〜〜!〜!」
ありがと…
"助けてやるから"
その言葉を最後にうちの視界はシャットダウンした。
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葵(プロフ) - くそぅ…!!!!!面白すぎんだよこんちくしょう (2021年6月10日 0時) (レス) id: 4534ab9975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月宮神楽 | 作成日時:2021年1月30日 23時