其の弐拾 ページ21
『行ってきます!!!』
「嗚呼、いってらっしゃい」
元気に挨拶をした私を、おじいちゃんは優しく見送ってくれた。元気に挨拶、と言っても空元気である。正直めっちゃ怖い。Uターンして布団にくるまっていたい。私、まだ16なんですけど。元の世界だったら命懸けの試験なんて受けるような年齢じゃないんですけど。まあ、元の世界だったら年齢関係なくそんな危ない試験受けないんだけどな。
取り合えず、おじいちゃんにもらった地図を見ながら歩く。うーん、分からない。無秩序に引かれた線と記号、それに少しの文字にしか見えない((
どこだよ藤襲山って、聞いたことねえわ。名前からして、藤の花が咲いてるとか?いやいや、そんな安直な名前の付け方の筈が無いか。藤と言えば、おじいちゃんがさっきくれたお守りも藤の花なんだっけ。めちゃめちゃ人気じゃん、藤。
てくてくと歩く。いや只の擬音語であって、本当にてくてくという音を出して歩いてる訳では無いんだけれども。
あれ、こっちだっけ?記号だらけの難解な紙を見て首をかしげる。
地図…私読めないわ。
だがそれだとやばい、如何にかしないといけない。誰かに頼るか。
私は前から歩いてきた男の子に話しかけた。
『ねぇ』
男の子はビクッと肩を震わせて、こちらを見た。
と思ったらすぐに目を逸らされた。顔が真っ赤だ。
なんやねんこいつ。
顔真っ赤じゃん、何、声かけた私に対して怒ってるわけ?少し慣れ慣れしかったか?私よりも高いその男の子の顔を見る。…傷あるじゃん、目つき悪っ。でも睫毛長いし顔整っている。
あれ、既視感。なんだっけ。
…まあいいや。
『あのさ、私地図読めないんだけど…これどう行ったら良いか教えてくれない?』
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我妻善逸
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月見うどん(プロフ) - 坂口さん» わかる。 (2020年6月11日 23時) (レス) id: 6d114265c3 (このIDを非表示/違反報告)
坂口(プロフ) - 玄弥が本当にいたら、いいのに (2020年6月11日 22時) (レス) id: 00b7ed554e (このIDを非表示/違反報告)
月見うどん(プロフ) - 坂口さん» ぶっきらぼうだけど絶対に優しいよね、兄弟思い。 (2020年6月10日 23時) (レス) id: 6d114265c3 (このIDを非表示/違反報告)
坂口(プロフ) - 玄弥がお兄ちゃんだったらよかったな (2020年6月10日 22時) (レス) id: 00b7ed554e (このIDを非表示/違反報告)
月見うどん(プロフ) - 坂口さん» 私も好き。かわいい。でもかっこいい。 (2020年6月10日 22時) (レス) id: 6d114265c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見うどん | 作成日時:2020年5月31日 12時