王子様にならせて (ページ11)

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【お姫様が1人】ページ11

"ピピーッ"

「「「ありがとうございました」」」

3－1

『よかった！！』

練習試合とはいえ、やっぱり負けるのは悔しいじゃん！

試合終了後、ベンチに戻ってくる選手達

『皆さん、しっかりクールダウンしてください！』

『先輩、これで膝冷やしてください』

『紫耀！マッサージするからちょっと待ってて』

『キャプテンは湿布貼りましょう』

サッカーは接触スポーツ

怪我は当たり前

今日は特に力が拮抗してたから仕方ないのかもしれないけど

それでもやっぱりなるべく怪我はして欲しくない

マネージャーとして、とても心配する

それに今日はラフプレーが多かった気がする

「お先でーす」

先輩達の手当てをしてる私の横を通り過ぎて1人部室へ向かう廉

『廉！ちょっと待って！』

湿布を貼り終えたキャプテンの背中を軽くさすった後テーピングを持って駆け寄る、

だって、

『怪我、してるでしょ？』

「なんで、わかったん？」

『見てたらわかるよ』

やっぱ高橋にはかなわんなー、と両手を上げ降参のポーズをとる廉を部室のベンチに座らせる

思ったより腫れてる

『相当痛いでしょ、我慢しなくていいよ』

「我慢なんかしてへんよ」

嘘だ

これでは、当分練習はできない

「あーあ、せっかくええとこ見せてカッコ良く去ろうと思てたんに」

『大丈夫！廉のいいところしっかり見せてもらったよ』

「ほんまかー？」

『ほんとだって！』

ちゃんと、見てたよ

フィールドを自由に駆け回る廉も、

シュートを決めて仲間と喜び合う廉も、

痛みに耐えながら懸命にプレーする廉も

『お疲れ様、カッコよかったよ』

今日は特別