十六夜の巫女 ４

$91$ 食い逃げは友達でした ページ8

下校のチャイムが響く中を私が歩いていると

｢Aー！｣

元気で大ボリュームで名前を呼ばれ振り向くと予想通りの人物が
走ってきていました

｢今、帰りか？｣

｢はい、山本さんも部活終わったんですね｣

あれだけのスピードで走られていましたのに
息が切れていないのはさすが
野球部ですね…

｢おう、一緒に帰ろうぜ｣

にかっ
と笑う山本さんに本当に
かっこいい人は罪だなーなんて
考えながらも
返事をし一緒に帰り

何気ない話をしながら帰宅路を進んで行く

｢山本さんのお宅はお寿司屋さんなんですね｣

知ってましたけどね���

｢あぁ！
良かったら、よってかね？｣

｢よろしいんですか！｣

嬉しいお誘いについ興奮してしまいました
山本さんのお父さんにお会い出来るのは嬉しいですし！

｢あぁ、親父もダチつれってたら喜ぶんだ｣

爽やかな笑顔が眩しいですね

ご近所の皆さまがみとれていらっしゃいます

かなりの視線を感じながら
最近…慣れてきてしまってきていますが

｢着いたぜ｣

中から何やら話声が聞こえてきました

あれ…？
この声は…

｢どーした、親父？｣

のれんで中は見えませんが
予想はつきました

｢食い逃げだよ｣

山本さんのお父さんの言っている
食い逃げの犯人は予想通り
沢田さんでした…

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