＊７６話 薄れている気持ち ページ39
あれからもう数年たった。
あの時の熱を忘れてしまっている私。
あの時の記憶を鮮明に思い出せない私。
あの時の大切な心が、思いが霞んでしまっている私。
もうあの時の、若い頃の私ではない。
この世界では十分充実している。
私ももう今日で２０歳だ。
忘れたわけじゃない。
ちゃんと覚えている。
ただ、あの時感じたほどの熱が今の私にはない。
もし、今の私にあの問いをされれば私は迷わずこの世界を選ぶだろう。
あの時はあんなにも行きたかったのに...
変わってしまった私の心。
おっと考え込んでいるともうすぐ電車が来るではないか！！！
私は今普通にOLとして働いている。
電車通だ。免許？もちろん持っている。
ただガソリン代がね...あはは
やばっもうすぐ電車来ちゃうよ！！！
私は急いで階段を駆けおりた。
しかし、急ぎすぎて足がもつれてしまった。
私の体は宙に浮き、前に飛びたす。
このまま何もしなければ私は転げ落ちる。
心ではやばいと思っても何もすることの出来ない私。
無力な、、、私。
刹那ふいに思い出した。
“ 言霊 ”
こちらに戻ってからは1度も使ったことがなかった。
その時、私が何を考えていたのかも、何思っていたのかも分からない。
ただあの時の私はただただ “止まれ ”と、そう唱えていた。
もう終わったと固くつむっていた目を開けた。
『ーーーっ！』
止まっているのだ。何もかもが。
行きかっている人や、電車。
浮いていた自分の体や時間まで。
戸惑って驚きを隠せない私に誰かが声をかけてきた。
オ「やぁ、久しぶりだね。」
あの時の怪しいオッサンではないか！！！
あの時と何も変わらない、変わっていないオッサン。
相変わらず顔は見れないけれど、怪しいには変わりないな。
『久しぶり、これはあんたがやったの？』
私は思っていることをただ彼に聞いた。
止まっているこの時間、私がしたと思っていたのだが、
彼がいるということはやったのは彼？
トリップされるほどの力を持つのだ。
時を止めることなど容易だろう。
ラッキーアイテム
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あずきいろ
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さくらんぼ( ´ ▽ ` ) - 子狐の一人称は「僕」じゃないですか？ (2018年4月3日 6時) (
レス) id: 804ddc61d1 (このIDを非表示/違反報告)
紫小夜(プロフ) - アキアカネさん» 泣いて貰えるなんてとても嬉しい限りです♪御愛読ありがとうございました。 (2016年12月3日 22時) (レス) id: ae95ac8a3b (このIDを非表示/違反報告)
紫小夜(プロフ) - みはしのさん» あひがとうございました(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年12月3日 22時) (レス) id: ae95ac8a3b (このIDを非表示/違反報告)
アキアカネ - すごく感動しました。読んでる途中に泣いてしまいました。最後もすごく感動しました。(泣く)ぐす (2016年12月3日 21時) (レス) id: 9c3b01e006 (このIDを非表示/違反報告)
みはしの - あああああ続編も面白かったですうううう!!マジ感動しました!!夏目くんと夢主さん、お幸せにしてくださいいいいい (2016年11月27日 16時) (レス) id: 9a292b623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫小夜 | 作成日時：2013年8月9日 15時
