9話 一色 ページ10
「そうだな、次はあっちに行ってみたい」
「リョーカイ」
適当に話ながらディエゴと街を歩くのは楽しい。
手元のカメラを見ていたからか人とぶつかってしまう。
「すみません」
私が謝るよりも先にぶつかった相手が謝って来た。
面倒事にならなくてよかった。カメラも特に壊れていないことを確認して顔をあげる。
「あっ」
背中が凍り付くのが分かった。
一瞬のうちにディエゴは自分の尻尾で私の腹を巻き付け持ち上げた。
「ジョースター、それにてめぇAの……!」
「へ、一色A??」
「すまない!本当に申し訳ない!心の底から悪いと思っている!もう人を殺して血液収集なんてしていない!だから殴るのは、殴るのだけは」
ガタガタと体が震える。
震えるな、という方が無理な話だ。
私はコイツに顔を思い切り殴られてその後大型トラックに轢かれたのだ。
「東方、てめぇよほど惨いことしたんだな」
「わっ、悪かったと思ってるっス!!殺人鬼とはいえ女性の顔を思い切りブン殴った事とか、反省してます」
「も、もう殴らない、のか?」
「もちろんっスよ!人殺してないですし、血液も集めてないみたいですし」
「よかった、ディエゴおろしてくれ。内臓が出てきそうだ」
「悪ィ」
ソフトに地面へと下してくれる。
恐竜の尻尾はかなり力強いんだな。
「いや全然いい。私を助けるためにやってくれたのだろう?それよりも東方仗助、本当に私を殴らないんだな?」
「殴らないっスよ!また人殺しをするってーんなら話は別っスけど……」
「殺らないよ。だからやめてくれ。あんな痛い思いをするのは金輪際遠慮したい」
「本当に申し訳ないっス!!」
90度、綺麗な角度で東方仗助が謝る。
「もういい。こんなことを言うのもあれだが殴られるのも轢かれるのもトラウマになったのと同時に小説のネタになった。一応礼を言う」
「ろ、露伴みたいなこと言うんすね……」
「今露伴と言ったか?!岸辺露伴を知っているのか!?」
「知ってます、よ」
「彼もここに!?」
「いる、いるっスよ!」
「そうか、彼も……ありがとう東方仗助、いい情報を教えてくれて」
「露伴と知り合いなんすか?随分嬉しそうな顔してますけど」
「ああ友人だ。誰だって友人に会えるってなったら嬉しくなるだろう?ここには他のジョースターも揃っているのか?」
「いますよ」
なるほど、これは随分面白い世界に来れたようだ。
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綿飴 - えっ、、、めっちゃ好き、、、月暗さん、更新楽しみにしてます!無理にとは言いませんが、、、 (2019年12月16日 16時) (レス) id: c8caa91576 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月暗 | 作成日時:2019年5月2日 18時