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4話 一色 ページ5

ガチャ。と玄関のドアが開く音が耳に飛び込んでくる。

その音で私はもう少しで夢の中に入る、というところで現実に引き戻された。


「のわあっ!?だっ、誰だその女ッ!!」

「新入りが来ると言っただろう」


吉影が自分の部屋から出てきて帰って来たピンク頭にそう言った。


「お、女とは聞いていないッ!!」

「言っていないからな」

「言ってなかったのか?」

「まぁ、別に言わなくてもいいかなと思ってね」

「なるほど」

「ん、うるさいぞ。どうしたんだ」


ディオが目を軽くこすってそう言った。


「分からない、ディオ、この人は誰だ?」

「ん、ディアボロだ。スタンド能力のせいで死に続けている可哀想な奴だ」

「可哀想って言うなッ!!」

「ディアボロ、彼女はここで暮らすのはもう決定事項なんだ。異論不満文句はぼくが認めない」

「……吉影の一人称はぼく、なのか?」

「え?あぁ、まあ普段はな」

「そっちのほうがいい。素で話しているって感じがして私は好きだ」

「す、わかった、君と話す時も一人称はこっちにしよう」


これは……仲良くなれた感じがして嬉しいな。


「後ろの、彼は?」


一瞬、彼か彼女かで迷ってしまった。

体つきで分かったものの……中性的な顔立ちをしているな。


「は、はじめまして!ヴィネガー・ドッピオですっ!ドッピオって呼んでください。」

「ドッピオか。私は一色Aだ。好きに呼んでくれて構わない」

「Aさん!よろしくお願いします。」

「……可愛らしいな」

「ドッピオは私のだぞ!!」

「くっ、ふふ、分かってる。取らない、取らないよ」


ガルル、と警戒心マックスな犬のようにこちらを睨み付けるディアボロ


「ボス、ダメですよ。Aさんはいい人です!」

「会って少ししか経っていないのにそう言ってくれるのは嬉しいことだな。ありがとう、ドッピオ」

「は、はい……!」


このディアボロと仲良くなれることはあるのだろうか?

まあ私がここにきて1日目だ。初対面の人間と仲良くなれない人間もいるんだ。

徐々に仲良くなっていけばいいのだ。徐々にね。


「ふふっ」

「A?」

「どうしたディオ」

「いや、楽しそうに笑うからどうしたのかと思っただけだ」

「楽しい……これからだな。楽しくなるのは」


私はまた笑った。おそらく楽しそうに、だ。

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綿飴 - えっ、、、めっちゃ好き、、、月暗さん、更新楽しみにしてます!無理にとは言いませんが、、、 (2019年12月16日 16時) (レス) id: c8caa91576 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月暗 | 作成日時:2019年5月2日 18時

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