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11話 一色 ページ12

「なんだアレは!!」


家に帰るなり吉影が大声で文句を言った。


「アレ?」

「スーパーでのアレだろ」

「ああ、アレか」


愛してるを言いあうやつか。

うるさい奴だな。別になんでもいいじゃあないか……


「愛してるというのは別にいい!ただキスは聞いていない!」

「愛してるはいいのかよ……」

「ぶっちゃけよくはない」

「なんだ、吉影も言われたいのか?」

「いっ、言われたいわけじゃあない!!」

「ムキになるなよアラサー」

「爆破するぞ」

「勘弁してくれ」


ふわあ、と小さくあくびをし、目をこする。

歩き回ったからかすごく眠い。


「吉影、愛してる」


そう言って自分の手を吉影の口に押し付けて自室に戻る。

我ながら恥ずかしいことをした。手を押し付けたのは私の可愛い照れ隠しだ。

部屋に入る前にディオの部屋に入り棺をコンコンとノックする。


「ん……なんだ、Aか。もう夜なのか……昨日は変に疲れたからかかなり眠っていたのだな」

「今から起きるディオに言うのもあれだが、私は今から寝る。明日は出かけるようがないから家にいるつもりだ」

「ということは明日は俺達を構ってくれるんだな」

「面倒くさい彼女みたいなことを言うな。吸血鬼だろ」

「お前に構ってもらうのを待っているのはわたしだけではない。カーズもだ」

「人外組の考えがよくわからない。あと一人称ぐしゃぐしゃになってるぞ。統一しろ」

「んん……」


ちゃんと起きろ。悪の帝王なんだろ。


「お前は今から寝るんだろう?」

「あぁ、そのつもりだけど」

「おやすみ」


ちゅ、と柔らかい感触が額に伝わる。

私はそれを少ししてディオの唇だと気づいた。


「なっ、なんっ!!」


キスをされた額を手で抑え、声にならない声でディオをバシッとちょっと叩く。

流石吸血鬼、と言ったところか、痛くも痒くもないようではははと笑っている。


「ハハッ、お前の無表情が剥がれたな。可愛い顔もできるじゃあないか」

「うるさいうるさいっ!!私は寝る!!!」


ディオの部屋のドアを乱暴に閉め、自分の部屋に行く。

すぐさまベッドに寝転がる。

さっきの行為が頭の中にはっきりと思い出されてしまう。

ディエゴに仕返しとほんの少しのおふざけを含めたキスとは比べ物にならない。

ディオは男のくせに妖しい色気がある。

吸血鬼、それに今は夜だ。さらにクるものがあるのだろう。

流石カリスマ、と言ったとこらだろう。


「危なかった」

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綿飴 - えっ、、、めっちゃ好き、、、月暗さん、更新楽しみにしてます!無理にとは言いませんが、、、 (2019年12月16日 16時) (レス) id: c8caa91576 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月暗 | 作成日時:2019年5月2日 18時

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