Ｄａｙ４１ 記憶の欠片 ページ43
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――少女は夢をみた。
なつかしい風景、なつかしいにおい。少女の記憶から引き出された夢。
母親の、自分と同じブロンドの髪が思い出される。
いっぽうの父親は濃い赤の髪を持っており、よく跳ねるその髪は少女とよく似ていた。
小さな村であったから若い夫婦だったし、村の中でも美しいと評判だったのを思い出す。
『――お母さん、お父さん。……隣にいるのは……彼は、わたしの大事な……』
それ以上、思い出せなかった。
両親の顔は鮮明に記憶している。なのにもう一人、自分にとってとても大切な人の顔が思い出せないでいた。仲のいい友人だった。明るい金髪の君は――
「……ゆめ、だったんだね」
ダリアは体に気だるさを覚えながらも身を起こした。
全てを己の描いた幻想だと悟ると、切なそうに
「わたし、どうしてあの場所にいたんだっけ……」
思い出せない。……思い出したくない。
あの時あの場所で少女は泣いていた。
ナゼ？両親はどこへ？自分がどうして、なにが悲しくて泣いていたのかもよくわからない。
悲しかったのかもわからない。
「……しあわせ、だったのに」
今もしあわせだ。それは決して
親代わりのクロロがいて、近頃は団員たちも相手をしてくれる。友達はいないが、多くの家族に恵まれた。それが本当の家族を失って得た、結束という名の繋がりしか持たぬ家族だとしても。
「ダリア、入ってもいい？」
ダリアの仮部屋の扉をノックする音と共に、シャルナークが少女を呼ぶ。
少女はその声に応える。
「……いいよ、入って」
シャルナークが恐る恐る少女の部屋に入ると、テーブルからイスをひとつ持ち上げてダリアの横へ座った。布団をかぶったまま、ダリアはシャルナークを見つめる。
「どこか調子でも悪い？」
「どうして、そう思うの」
「分かるよ。ダリアは機嫌悪いとすぐオーラが乱れるから」
そう言って笑うと、ダリアの手に自身の手を重ねた。
「ダリアはさ、あんまり深く考えなくていいんだよ」
触れられた大きな手が、声が、とてもあたたかい。
「お菓子食べよっか」
ひょい、と後ろからクッキーの入った袋を取り出すと、少女は小さく頷いた。
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ラッキーアイテム
フランクリンのピアス
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枢木 海里(プロフ) - ありがとうございます！まだまだ展開も文章も拙いものですが、そう仰っていただけて嬉しいです。これからもどうぞよしなに！ (2017年8月23日 21時) (
レス) id: 5ebcb79001 (このIDを非表示/違反報告)
朔間凛月葉(プロフ) - この作品とっても面白いですね!!!!!!!!!!見た瞬間ハマってしまって……と、とにかく面白いです!!!!!!!!!!これからも作品の更新頑張ってください(〃・д・) -д-))ﾍﾟｺﾘﾝ楽しみにしてます！ (2017年8月23日 11時) (レス) id: 5b4086ff03 (このIDを非表示/違反報告)
枢木 海里(プロフ) - 物部さん» ありがとうございます！そのお言葉だけで更新を頑張っていけます....！またいらしてくださいね！ (2017年4月1日 14時) (レス) id: 7b14694aa6 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます！ (2017年4月1日 0時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海里 | 作成日時：2016年11月27日 23時
