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Day40 ページ42

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「……で、マチも結局はあの無垢(むく)な笑顔にやられちゃったのかあー」
「本当にあんたたちってうるさいわね」

あれから数日が経ち、マチはたまたま居合わせたシャルナークとフィンクスに揶揄(やゆ)されていた。
そこへ偶然にも本を手にしたクロロが通りかかる。

「ダリアの話か?」
「食いつくねえ団長も」

フィンクスがそれを聞いてケタケタと笑う。
クロロのことを酒の(さかな)にでもしようというのか。

「まだ納得してない団員もいるけどね、言葉が通じるとかわいくなるもんなんだよ」

シャルナークが言うと、クロロは賛同した。

「見立て通り、あの(ムスメ)はやはり賢い。それに初めは理系かと思ったが、文学に興味があるらしくてな」

──ダリアを拾った当初、少女は齢九つになると言うわりに殆ど言葉を理解していなかった。それはどうやら”少女の要領が悪いから”ということでもなかったとクロロは言う。

「森の中にいたくらいだ。……あの辺りの農村はどこも裕福とは言えなかったからな」
「確かにそうなんだけどさ、やっぱり驚きだよね」

そこへシャルナークが口を挟んだ。

「少し前までは片言だったのが、今じゃ日常会話にはてんで困らない。そうかと思えば子どもには難しい言葉まで覚えちゃうんだもんね」

子どもにとって難しい言葉、カタカナの類いだと思うが、中には大人にすら理解しがたいものもある。それをお得意の好奇心で次々に覚えていったダリアは、すっかり旅団の中に溶け込んでいる。

「ただ、やっぱり記憶は曖昧(あいまい)みたいじゃないか。読み通り、田舎に住んでたことは間違いないみたいだったけど」
「そこだよなあ」
「あんたは黙ってな」

少々諦めの含まれたマチの言葉に、ビールを一瓶空にしたフィンクスが同調する。だいぶん酔いが回ってきたようで、機嫌が良さそうだった。

「またなんか思い出したかもしれないし、聞いてみれば?」
「……いや、まだ待とう。ダリアが捨てられた孤児だとすれば、無理に思い出させるのも(こく)だ」

クロロは、なにかを考え込んだようにその場を去っていった。



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設定タグ:HUNTER×HUNTER , クロロ , シャルナーク   
作品ジャンル:ファンタジー
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枢木 海里(プロフ) - ありがとうございます!まだまだ展開も文章も拙いものですが、そう仰っていただけて嬉しいです。これからもどうぞよしなに! (2017年8月23日 21時) (レス) id: 5ebcb79001 (このIDを非表示/違反報告)
朔間凛月葉(プロフ) - この作品とっても面白いですね!!!!!!!!!!見た瞬間ハマってしまって……と、とにかく面白いです!!!!!!!!!!これからも作品の更新頑張ってください(〃・д・) -д-))ペコリン楽しみにしてます! (2017年8月23日 11時) (レス) id: 5b4086ff03 (このIDを非表示/違反報告)
枢木 海里(プロフ) - 物部さん» ありがとうございます!そのお言葉だけで更新を頑張っていけます....!またいらしてくださいね! (2017年4月1日 14時) (レス) id: 7b14694aa6 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます! (2017年4月1日 0時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海里 | 作成日時:2016年11月27日 23時

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