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Day11 ページ13

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「車は明日の朝一番で回収してくれるってよ。もうこっちにはしばらく戻って来ないからな。……安心していいぜ、痕跡(こんせき)はなるべく残さないよう言っといた」

「またあの人か?」

クロロは察したようにフィンクスの持つ携帯へと目配せをした。

「まーな」

彼の言う“あの人”とは、仕事には口うるさいフィンクスでさえも信頼するビジネスマンだ。
カキンの富裕(ふゆう)層出身であるらしく、金のある人間からは依頼費(いらいひ)と報酬をゴッソリぼったくるというとんでもない人らしい。

反面、信頼における常連客には度々おまけをしてくれる。義理堅いのか傲慢(ごうまん)なのか、頻繁(ひんぱん)に利用するフィンクスでさえ分からないような守銭奴(しゅせんど)、そう言った見解である。


「ホント助かるぜ毎回」
「こっちに来ていたなら、紅茶でもご馳走するべきだったな」

実を言えば、クロロも昔その人物に助けられたことがあった。
常連客であるフィンクスの紹介だったからと、依頼料を破格な値段にしてもらったこともあったと思い出す。
電話越しでのやりとりで実際に会ったことはなかったが、信用に値する仕事をこなすやり手だった。


「メシとかおごるとマジで遠慮しないからやめておいた方がいいぜ。あの胃袋に根こそぎ持って行かれるぞ」
「フッ、想像できないな。お前は直接会ったことがあるんだろう?」

クロロはそう言ってフィンクスの顔を見た。遠くで強風に流された鳥が風を避けるために建物の影へ逃げる。その向こうに、小さく船がこちらへ向かって近づくのが見えた。

「まあ、依頼の後でメシおごったときにな」
「なるほど、そのときに持って行かれたわけか」


クロロは微笑すると、ダリアを連れて港の広い船着き場へと歩みを進めた。
豪華、とまではいかないが、船を待つ人の数を見てもこれから彼らが乗り込むのはかなり大きい船だということが窺える。

風が強いせいで、海が荒れていた。



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ラッキーアイテム

フランクリンのピアス


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設定タグ:HUNTER×HUNTER , クロロ , シャルナーク   
作品ジャンル:ファンタジー
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枢木 海里(プロフ) - ありがとうございます!まだまだ展開も文章も拙いものですが、そう仰っていただけて嬉しいです。これからもどうぞよしなに! (2017年8月23日 21時) (レス) id: 5ebcb79001 (このIDを非表示/違反報告)
朔間凛月葉(プロフ) - この作品とっても面白いですね!!!!!!!!!!見た瞬間ハマってしまって……と、とにかく面白いです!!!!!!!!!!これからも作品の更新頑張ってください(〃・д・) -д-))ペコリン楽しみにしてます! (2017年8月23日 11時) (レス) id: 5b4086ff03 (このIDを非表示/違反報告)
枢木 海里(プロフ) - 物部さん» ありがとうございます!そのお言葉だけで更新を頑張っていけます....!またいらしてくださいね! (2017年4月1日 14時) (レス) id: 7b14694aa6 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます! (2017年4月1日 0時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海里 | 作成日時:2016年11月27日 23時

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