† 第７話 † ページ8
.
『は〜いでは、みなさんにはこれから各教室への移動をお願いしま〜す。』
アナウンスの主である司会のピヨンの支持で新入生が一斉に立ち上がった。
各自３０分の休憩ののちに教室へ向かうようにとの内容が、予め配布されていた栞に記されてあった。全員、その予定表を読んで行動するのだろう。
制服の指定はないため、様々な種類の、無数の足音が一斉にホールの後ろ扉に向かってゆく。
Aもまた、その人の流れに乗って外へ出た。
「えっと、１のＢクラスは....ここかな？って、さっきのおじさんだ。」
３０分、十分に水分補給と手洗いを済ませてきたAと、先程彼女の隣に座っていた男性が上手いことに教室の前で鉢合わせた。後半の発言はきっと彼女の心の声だろうが、あまりにも唐突なことで声に表れていた。それにハッと気づいて、口をつむぐ。
しかしその瞬間、
「おじさんじゃねえよ！オレはまだ１０代！！」
「えっ」
思わず驚きの声が口から再び漏れてしまったらしい。
Aからは見上げる程の長身であり、えらの辺りに申し訳程度に生やしたヒゲといかにもオジサンがかけていそうなサングラスを見る限り、どう考えても歳を食っているように見える。
....いや失礼、最後のは確実にAの偏見である。
「えってなんだよ！そんなに老けて見えんのか！」
「あっ、ご、ごめんなさい！失礼しました....」
怒鳴り声を上げたものの、まだ成人にも満たないAの姿と、正直に非礼を詫びたことで彼の怒りはおさまったようだった。
....その後、
「へぇ、レオリオってお医者さん目指してるんだ！偉いしカッコいいねそれ！あたし応援する！！」
「そ、そんなこと....あるけどな〜！でへへ....ありがとな！」
そんなこともあり、実質１０代で話の合うレオリオという男性とは、ちゃっかり意気投合したAである。お互い成績順を考えると窓際で前後の席、彼の陽気な性格から、Aも心を許したようだ。自分がクラスで成績２位だったという嫉妬心も、ここにきてすでに薄れている。
周りは友達という名の利用できる仲間を探す中、彼らは珍しい仲間意識を得るのであった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海里(プロフ) - 桜紫煌龍�鼎気�» そしてお手数でなければ、また日を改めてから始めから読み直されることをオススメいたします。ご不便をおかけしますが、何卒ご了承ください。投票については、早速数に入れさせていただきました。 (2016年11月28日 16時) (
レス) id: 7b14694aa6 (このIDを非表示/違反報告)
海里(プロフ) - 桜紫煌龍�鼎気�» 投票ありがとうございます。諸事情により本日から作品の内容を一部改編させていただいている最中なので、とても読みにくかったとは存じますが、これからもご支援のほどよろしくおねがいいたします。 (2016年11月28日 16時) (レス) id: 7b14694aa6 (このIDを非表示/違反報告)
桜紫煌龍��(プロフ) - アダルトリオが出てくるのであれば、アダルトリオの中の1人に2票。 お忙しいでしょうが、更新頑張ってください (2016年11月28日 16時) (レス) id: 16a63d5b31 (このIDを非表示/違反報告)
ライラ(プロフ) - クラピカにしてください！ (2016年9月7日 19時) (レス) id: 147c95c351 (このIDを非表示/違反報告)
もちマッチョ - キルア落ち二票！ (2015年8月4日 22時) (レス) id: 5c8654fb7a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海里 | 作成日時：2014年4月19日 18時
