赤い髪の銃手は、麦わらの四強の1人!?【序章】 (ページ15)

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ｿﾞﾛ「どういう事だ。」

ﾊﾙﾄ「だから、暗闇がダメなんだよ。あと、締め切られた空間。」

ｻﾝｼﾞ「閉所恐怖症ってことか？」

ﾊﾙﾄ「正確に言うと閉所・暗所恐怖症だな」

まったく情けねェ話だろ？と自虐的な笑みを浮かべてハルトはそう相槌を打ってきた。誰しも怖いものの一つや二つはあると思うが、狭いところと暗いところがダメとなるとかなりキツそうだ。

ｻﾝｼﾞ「暗闇がダメっつーと、夜は大丈夫なのか？」

ﾊﾙﾄ「夜はこの頃まだマシになってきた。だが、締め切られた暗い部屋はダメだ。パニクっちまう。」

ｻﾝｼﾞ「だから、男部屋じゃなく甲板で寝るって言ったのか。」

ｿﾞﾛ「昔なんかあったのか？」

ﾊﾙﾄ「その話は、また今度だ。然るべき時に然るべきタイミングで」

またハルトは話を逸らす。その事に2人は気づいていたもののあえて追求はしなかった。

ｿﾞﾛ「まァ、暗闇は暗闇でも外なら月と星があるから大丈夫だろ。」

ﾊﾙﾄ「そういう問題か？」

３人で見上げた空は、明るい星でいっぱいだった。中心にはきらきらと輝く月が圧倒的存在感で居座っている。快晴であったため、夜とは言いつつも満月に近い今日は月に明るく照らされていた。

聞けば聞くほど知りたくなってくる。ハルトの過去に何があったのか。緑頭と金髪は、しばらく胸のモヤモヤが取れなかったそうな。

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ハルトside

２人に少しだけ弱いところを見せちまった。まぁ、あいつらなら自分から言いふらすなんて事はしないだろう。そこは信用している。

少し嘘をついた。本当は今も少し震えている。一回植え付けられた記憶はそう簡単に忘れる事なんて出来ない。どうしてもあの時の記憶が蘇って、怖い。

でも、いつもより手の震えが収まってる。認めたくはねぇが、２人に話したことで安心したのかもな。

暗闇って怖いもんだと思ってた。
だけど、

『まぁ、暗闇は暗闇でも、外なら星があるから大丈夫だろ。』

まったく…そういう簡単な問題じゃねぇんだけどな。

こういう時、何も考えてない単純なやつの一言って心に響く。

まぁ、これからは夜はまだマシになりそうだ。

「寝るか……」

芝生に寝転がり、目を閉じた。

「大丈夫……星があるからな。」

ハルトの頭の中に、あの時のゾロのとぼけた顔とサンジのバカにしたような表情が写し出されていた。