第06話_01 ページ9
「どうして駄目なの！？」
女性の声が地下の牢屋内で響いた。
その女性はここら辺の地域では珍しい緑色の目をしていた。
緑色の目というとこの国から東の海を渡った先の国のやつらだろう。
この国とは敵対関係にある国だ。それなら捕まっているのも納得できる。
「ちょっと！聞いてるの！？」
「･･･」
さっさと気付いて欲しいものだ。
俺が喋れないってことに。俺だって好きで無視してる訳じゃない。
どっちかと言えば喋るのは好きな方だ。好きなのだが、これは仕事。
班長からもきつく言われている。だから俺は絶対、喋らないと決めた。
なにがあろうと･･･
「流石は呪われた貴族の生き残り。残酷な人ね･･･」
ｷﾞﾘｯ･･･俺は唇を噛み締め、女から目を背けた。
「あら？目を背けるのかしら？魔族に屈したくせに･･･」
「！？」
俺は女から背けた体をすぐに向けた。
魔族に屈したなんてことは初めて聞いたからだ。
魔族とこの国は徹底的に対立していたはずだ。
しかも、俺達の国の方が優勢だったはず。
こいつは俺を同様させるために言っているに決まっている。
「同様させるために言っているわけじゃ無いわよ？これは全て本当のことよ」
俺は少し睨むように、見下すように女を見た。
女はやっと俺が反応したことを嬉しそうににっこりと笑っている。
嘘をついているようには見えない。だが、信用出来るわけはない。
いや、信用してしまったらその時点でこの女に負けたことになるのだ。
「頑固だなー。もう少し楽にしなよ。
ま、私が信用出来ないのは分かるけどさ･･･
でも、少しでも怪しいと思う部分があったのなら、上の人達に聞いてみると良いよ･･･
ま、君じゃはぐらかされて終わりだろうけどね」
女は俺を嘲笑うようにそういった。
確かに言われてみれば最近は上の方針が変わってきたような気がする。
しかし、そんな曖昧な考えで決め付けるわけも行かない。
そもそも上なんて俺にはまったく関係のないことじゃないか。
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月緋鈴(プロフ) - 黒羽さん» あ、言われてみれば「注ぐ」ではなく「盛る」ですね。指摘ありがとうございます！ (2014年1月17日 18時) (
レス) id: ffd19b2f3d (このIDを非表示/違反報告)
黒羽(プロフ) - とても面白い作品を書いてくださり、ありがとうございます。とても面白かったです。まあ、強いて言ってしまいますと、ご飯は注ぐものではなく、盛るものという事だけでしょうか？これからも頑張って下さいね！ (2014年1月16日 18時) (レス) id: 8545d7a4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月燈 鈴 | 作成日時：2013年12月30日 20時
