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第11話_01 ページ25

段々と目が暗闇に慣れていく中でそれは、動いていた。これは、なにかの魔法で動いているのだろうか。それとも、糸とかで動いているんだろうか。僕はそう考えて棚の上を杖を、左右に振る。しかし、なにも触れた感触はなく、傍からみたら、棚の上を杖を振り回している変な人に見えただろう。暗闇の中じゃあそんな様子もはっきりとは分からないと思うが。

「見れば、見るほど不思議な棚だなぁ……」

棚の上に手を置きながら、まじまじと棚を観察する。他のことにはあまり興味を示さない僕だけれど、この不思議な棚には興味がそそられた。と、同時に恐怖から壊したくなった。滅多に破壊衝動にかられない僕が壊したくなっているなんて、とても不思議な感じだ。
まあ、ずっとこのまま棚をここに置いておくにはいかないから、壊すことにしよう。
そういう理由をつけて攻撃体制に入る。杖を構えてある程度距離をとって魔法を想像する。

「トルフェス・イア」

僕はそう、小さく呟いた。杖の先から冷気が発せられ、辺りが凍りつき始める。地面からは氷柱が勢い良く飛び出して段々と棚に向かっていく。氷柱は、棚を貫いて、止まるーーと、思われた。棚を貫くはずだった。しかし、氷柱は貫くことなく、破壊された。
何が起こったのか理解できなかった。

何が起こった?
どうして、破壊された?
どうやって破壊した?

頭の中は疑問だらけだったが、これは、遂に調べる必要が出てきた。破壊すれば、中身が散らばると思っていたから必要がないと思っていたけれど、そうも行かなくなってしまってはしょうがない。僕は棚の取っ手に手を掛けて、勢いよく、開きを開ける。その瞬間、何かが飛び出して、僕の体の中に飛び込んで来た。僕は、飛び込んで来た生物を見る。

「!!」

僕は目を見開いた。そこにいたのは、僕が居た所では有り得ない、存在しない、幻想の生き物だったから……。

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月緋鈴(プロフ) - 黒羽さん» あ、言われてみれば「注ぐ」ではなく「盛る」ですね。指摘ありがとうございます! (2014年1月17日 18時) (レス) id: ffd19b2f3d (このIDを非表示/違反報告)
黒羽(プロフ) - とても面白い作品を書いてくださり、ありがとうございます。とても面白かったです。まあ、強いて言ってしまいますと、ご飯は注ぐものではなく、盛るものという事だけでしょうか?これからも頑張って下さいね! (2014年1月16日 18時) (レス) id: 8545d7a4af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月燈 鈴 | 作成日時:2013年12月30日 20時

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