第10話_03 ページ23
僕は意味がわからず辺り見渡した。見渡してみると、倒れ込んだ所は通路みたいなところで今先まで僕たちが通っていた通路より明らかに狭かった。そんな所に丁度よくはまってしまうのはなにかに引き寄せられているのか、運がないのか僕には良く分からなかった。
「羽海!?大丈夫か!?」
僕は混乱していてなんて言って良いのかわからず、小さく頷くだけにした。頷くとハツキは僕を起こして通路に足を踏み入れた。
「……どうする?この先に行くか?」
「行く……行きます」
ハツキは心配そうに聞いてくると僕ははっきりと肯定して進んでいくことを決意した。僕は氷の壁の魔法を解いて、進む。前はやっぱりハツキに前を進んでもらっていた。魔法を解いたあと、すぐ後ろでは突風が吹いていたような気がしたけれど気の所為だと思う。
「……広いところに出たな」
ハツキがそう言って前に一歩進むと僕も広い空間に出た。ただ広い。たったそれだけだった。奥に何かあるのかもしれないけれど、どこまで奥なのか分からないし、第一にこれだけ広い空間があるのだから、ここで何か行われているのかもしれない。人が住んでいるのか、獣が住んでいるのか、気になるところではあるが、もしも、獣なのならば、広いと言っても洞窟の中だ。上に攻撃をした場合、僕たちは潰れてお終いになってしまう。困ったな。
「……俺は先に進む。羽海はどうする?」
「……先……?」
「この先に扉があるようだ。扉からは異様なものが漂っている」
異様な……もの……。
僕には想像できなかったが、ハツキが警戒しているということは、かなり危険なんだろうな。そんなことを思いながら、辺りを探る。ハツキは、さっさと奥に進んでいったようだ。いつの間にか居なくなっている。暗闇の中一人で居るのはやっぱり寂しくて怖いな……。ハツキに光みたいな魔法を教えてもらえばよかった……。
少し後悔しながら歩き出す。
一歩、また一歩と踏み出していくうちに、僕の体を異様な気配みたいなのが纏わりついてくる感じが大きくなっていった……。
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月緋鈴(プロフ) - 黒羽さん» あ、言われてみれば「注ぐ」ではなく「盛る」ですね。指摘ありがとうございます! (2014年1月17日 18時) (レス) id: ffd19b2f3d (このIDを非表示/違反報告)
黒羽(プロフ) - とても面白い作品を書いてくださり、ありがとうございます。とても面白かったです。まあ、強いて言ってしまいますと、ご飯は注ぐものではなく、盛るものという事だけでしょうか?これからも頑張って下さいね! (2014年1月16日 18時) (レス) id: 8545d7a4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月燈 鈴 | 作成日時:2013年12月30日 20時