第09話_01 ページ19
羽海から前居た所の話を聞いて一日経った。やっぱり話は全然理解できてないけれど、でも、羽海の目的は分かったつもりだ。
”前居た世界に戻ること”
これだけの力を持っているのに勿体ないとは思うが、羽海が決めたことなのでしょうがないと諦めることにした。実に勿体ないと思う。
そして、今日…羽海は…
「ある程度の身の守り方は教えてもらったので、ぼ…私は帰る方法を探しに行きたいと思います…今までありがとうございました」
そう言って旅立とうとしていた。情報が手に入ったら教えるつもりだか…このまま手放すのは惜しいと思っている。しかし、付いていくのを羽海が断ったので動けない…。どうしたものか…。
と、今先まで諦めていたのに今は何故か羽海の隣に居た。まあ、そう簡単に俺が諦める訳が無いということを分かってくれれば良かったりする。少し満足した気分だ。心の中でガッツポーズをしながら並んで一緒に歩いていたりする。少し羽海に呆れられもしたがここはしょうがない。自分の目で羽海の成長が見たいと思ってしまったのだから。
「…ハツキさん。ぼ…私、情報を集めに行きたいんですけど…ここら辺で一番情報が集まるのってどこですか？」
一人称のところで羽海は少し言葉を詰まらせたが触れられたくは無いのだろうと思い心の中で気にしつつも頭の中の情報を整理する。10年前だと王都の所に行けばたいがいの情報は手に入ったがつい最近では内政が荒れ、王都の付近では治安が悪く外を歩く町の人はいないほどに荒れていると聞く。それならば、隠れ都市の方がやはり情報は集まるだろう。
そこにしよう。
「少し離れているがモロッドという所が今のところは一番情報を集めやすいだろうな。思いつく辺りではそこが一番近いだろうし」
「じゃあ、そこに行きましょうか…ここからどれくらい先にあるんですか？」
「距離で言うとそうだな…ここから山を二つ越えなければいけないな…」
「！じゃあ、割と思ったより近いんですね」
羽海はそう言ってにっこりと笑顔になる。しかし、羽海は少し勘違いしているようだ。二つ山があるうちの、二つ目は良いとしよう。問題目は一つ目…。最初に越える山のほうに問題があるのだ。
そう、目の前に聳え立っている大きな山のことだ。
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月緋鈴(プロフ) - 黒羽さん» あ、言われてみれば「注ぐ」ではなく「盛る」ですね。指摘ありがとうございます！ (2014年1月17日 18時) (
レス) id: ffd19b2f3d (このIDを非表示/違反報告)
黒羽(プロフ) - とても面白い作品を書いてくださり、ありがとうございます。とても面白かったです。まあ、強いて言ってしまいますと、ご飯は注ぐものではなく、盛るものという事だけでしょうか？これからも頑張って下さいね！ (2014年1月16日 18時) (レス) id: 8545d7a4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月燈 鈴 | 作成日時：2013年12月30日 20時
