第08話_01 ページ16
一面銀世界。周りは雪で覆われて、川の水は全て凍りついていた。異常な程な寒さだ。全身が寒さに震え、体の芯まで熱を奪われていく。さっきまで花が咲いていたのが嘘のようだ。花は枯れ、木も草までもが枯れてしまっていた。
「すごい…」
俺は一言そう感嘆の声を漏らす。その一言しか出てこなかった。少し前まで何も知らなかった少女が一面を雪景色に変えてしまうほどの力を発揮した。こんな現象は見たことがない。ここまで力が強い子は初めて見た。これまで、54年。生きて、見てきた子の中で恐らく3番の中に食い込んでくるだろう。どれだけの才能がこの子の中に眠っているのだろう。俺がどれだけ努力してもこの子には敵わない。直感で俺はそう感じた。それだけ、この子の力がでかいのだ。しかし、これだけ大きな力を制御するためにどれだけ努力をしたのか気になる。どこまで、強くなるのか気になってしょうがない。初めは、きちんと生きていけるまで面倒を見ると言ったが、俺がこの子に付いて行きたくなった。
「どう…ですか？」
この状況のことを言っているのだろう。羽海は少しおどおどとした様子で俺に問いかけた。気を使わなくていいと言ったのにな…
「良いと思うぞ？もっと練習したら羽海はこれ以上に強くなれる。もしかしたら、世界の中で魔法使いのトップ10に入れるかもな！」
俺は思ったことをそのまま言葉にして羽海にそういった。そうすると、羽海は杖をギュッと握り下を向いた。俺は何か言ってはいけないことを言ったのだろうか。そう思って俺は少し内心慌てていた。
「羽、羽海…？俺、なんか余計なこと言ったか…？」
「いえ…大丈夫です。ハツキさんにそう言ってもらえて嬉しいだけですよ」
明らかに作り笑顔と思える顔で羽海はそう言ってきた。絶対に、何か悪いことを俺は言ってしまったようだ。何がいけなかったのか、思い当たる節は見当たらない。
今度から言葉には気を付けないとな…
羽海が無理に笑う顔は見たくない。
不意に俺はそう思った…
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月緋鈴(プロフ) - 黒羽さん» あ、言われてみれば「注ぐ」ではなく「盛る」ですね。指摘ありがとうございます！ (2014年1月17日 18時) (
レス) id: ffd19b2f3d (このIDを非表示/違反報告)
黒羽(プロフ) - とても面白い作品を書いてくださり、ありがとうございます。とても面白かったです。まあ、強いて言ってしまいますと、ご飯は注ぐものではなく、盛るものという事だけでしょうか？これからも頑張って下さいね！ (2014年1月16日 18時) (レス) id: 8545d7a4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月燈 鈴 | 作成日時：2013年12月30日 20時
