第07話_01 ページ11
響くサイレン。色んな方向から聞こえる人の叫び声。もう真夜中だというのに辺りは明るく空は真っ赤に染まっている。街は混乱した人達で溢れ、街中ごった返していた。国の直属の兵士たちはいつも待機している兵の約五分の一程度の数が街の人達を王宮へと避難させるように指示を出している。
色んな所から火の手が上がり残りの約五分の四の国の直属の兵士たちは休む間もなく動き回っていた。
そんな中、私達は人の波に抗いながら関所の方へと向かう。
「おいっ」
慌てずゆっくりと外に出ようとすると誰かに止められた。私達はフードを深くかぶり直して横目で呼び止めた人を見る。呼び止めた人は三十代後半くらいの髭をはやした工場員みたいな格好をしていた。
「どこ行くんだ？夜中は魔物が出るから外に行くのは止めといた方がいいぜ？？」
呼び止めた人はそう言って急いで王宮の方へと走っていく。しかし、私達は呼び止めた人の言葉を無視して門をくぐり抜け外へと出た。そして、フードを外して視界を開け辺りを見渡しながら近くの森の方へと走って行く。
辺りは薄暗く、月の光で道は照らされ、目が慣れるまでは躓きながらも走っていた。
そんな私のことを気遣ってか、私の前の障害物を取り除けながら走ってくれる人が居た。私を牢屋から助けてくれた人。牢屋ではあんなにも頼りなさそうだった人は今、逃げている最中ではすごく頼りがいのある人だ。私はその人を信用して何も考えず着いていく。
しばらく走っているといきなり先行していた人が止まる。
「どうしたの...？」
「木から木へと飛び移れるか？」
私はそう言わて一瞬固まった。実は私は運動は得意ではない。どちらかと言えば勉学とか情報操作とか、魔法とかの方が得意なのだ。だから、そんな木から木へと飛び移るなんてそんなこと出来るわけない。
「はぁ…しょうがないな…」
そう言ってその人は私を抱き抱え、木の上にへと飛び乗った。私は突然のことに驚いて助けてくれた人にしがみつく。
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月緋鈴(プロフ) - 黒羽さん» あ、言われてみれば「注ぐ」ではなく「盛る」ですね。指摘ありがとうございます！ (2014年1月17日 18時) (
レス) id: ffd19b2f3d (このIDを非表示/違反報告)
黒羽(プロフ) - とても面白い作品を書いてくださり、ありがとうございます。とても面白かったです。まあ、強いて言ってしまいますと、ご飯は注ぐものではなく、盛るものという事だけでしょうか？これからも頑張って下さいね！ (2014年1月16日 18時) (レス) id: 8545d7a4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月燈 鈴 | 作成日時：2013年12月30日 20時
