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「Aさんいらっしゃい、迷わず来れたみたいで良かったです」
「はい!来れました!」
約束の土曜日まではあっという間で、気が付けばその日が来ていた。
剣持さんは家まで迎えに行くって言ってくれたけど、流石に申し訳無かったのでマップで何とか辿り着いて、今に至る。
「お邪魔します」
「僕の部屋はこっちです、階段気を付けてね」
案内されて着いた部屋は、落ち着いた和室のような部屋だった。
竹刀が綺麗に立てかけられていたり、ギターが置いてあったり、男性らしさと剣持さんらしさの詰まった部屋。
「お部屋凄く綺麗ですね」
「へへ、ありがとうございます。昨日頑張って掃除したんですよ」
飲み物取ってくるのでゆっくりしてて下さい、と剣持さんが階段を降りる音が耳に入る。
好きな人の部屋に1人って、なんだかムズムズしてくる。
「漫画も沢山あるなぁ…」
ふすまの部屋に沢山置いてある漫画は、アンマッチの様でむしろ落ち着きがある。
ぐるっと見渡していると目に入るのは1人用のベッドだった。
少しの興味でベッドを背もたれにして寄りかかってみると、ふわりと剣持さんの香りがした。
「何やってるんですか」
「ひゃぁ!」
「ベッドの下なんか見ても何も無いですよ?」
「ちっ、違います!!!」
りんごジュースと今日私が持ってきた少し高めのプリンをお皿に持ちながら剣持さんは笑う。
「ガっくんの時も思ったけど、Aさんベッド好きなの?」
「私家がお布団派なので…ちょっと憧れてるのはあるかもです」
「じゃあ、僕のベッドの感触も試しておきます?」
「えっ、本気ですか…?」
「うん、いいよ」
急に声色が甘くなる剣持さんに、心臓がキュッとするのを感じながらもゆっくりベッドに背中を下ろす。
ふわ、と伝わる感触と、強くなる剣持さんの匂いに少しニヤけてしまう。
「Aさ…うわっ!」
「へ!?」
声が上がった時にはもう遅く、立ち上がった剣持さんが躓いて、ベッドに居る私の方向にそのまま倒れてきた。
咄嗟に手を着いた剣持さんの手は、私の頭の真横に着地し、顔は鼻同士が触れ合う距離にあった。
ここだけ、時間が止まっているかの様だった。
「A、さん」
剣持さんの唇が、ゆっくりと私の名前を呼んだ。
ギシ、とベットが軋む音も、外の蝉の声も、部屋のエアコンの音も、全てが脇役になって、剣持さんの声が届く。
「剣持さん…?」
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さえ(プロフ) - とても好きです…終始どきどきしちゃいました…!ここまでのめり込んで一気に読み進めてしまった夢小説は初めてです( ; ; )続きも楽しみです〜! (2022年7月30日 5時) (レス) @page30 id: 2b507589db (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - もう本当に最高です、、この年の夏はこの作品を読んでキュンキュンします、、!次の更新も楽しみにしています! (2022年7月14日 2時) (レス) @page30 id: 1248570467 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - はじめまして、コメント失礼します。設定タグをご本人様の名前含め、検索除けタグのみに変更お願いします。デリケートな界隈なので対応のほどよろしくお願いします。変更終わりましたらコメントの方は消していただいて構いません。長文失礼しました。 (2022年5月15日 22時) (レス) id: 2518b8b23d (このIDを非表示/違反報告)
いな(プロフ) - すごく面白かったです!久しぶりにめっちゃドキドキしました‥!剣持の小説あんまりないのですごく助かります。更新大変だと思いますが頑張って下さい応援してます!! (2022年3月16日 1時) (レス) @page26 id: f1af487042 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです!!! (2022年3月7日 22時) (レス) id: 74bdb3d0ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かへ | 作成日時:2022年1月26日 15時