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「おはようございま〜す、ってアレ?Aちゃん今日俺と一緒の時間じゃなかったっけ?」
オシャレなBGMの流れる落ち着いた店内に、聞きなれた伏見ガクの声が響いた。
昨日の夢のような時間からは一変して、私はバイトに励んでいる。
「がっくんおはよう!実は今日佐藤さん休みになって、その分早く入ったんだ」
「エ、じゃあ上がりも早いんすか?」
「ううん!上がりは同じ時間だよ」
バイトでカフェのホールをやっているのは、結構オシャレだな〜って自分でも思ってたりする。
「良かった〜、今日バイト終わりちょっと時間良いですか?」
「なになに?大丈夫だけど…」
「いや、とりあえず今日頑張りましょう!」
バ先では一応私の方が先輩なので、がっくんは敬語を使ってくる。にしても、一体何があるんだろう。
上がりの時間まで残り15分程になり、あと少しだ〜と伸びをしていると、お客さんを知らせるお店のベルが鳴る。
「いらっしゃいませ〜お席自由なところに……え、え!?」
「Aさん、こんにちは」
「あ、来た来た」
私の目線の先には、出会った時と同じように半袖の夏服に身を包み、竹刀を背負っている剣持さんが立っている。
驚いて目を見開いている私に、力を抜いた手をフリフリしてくる。
「え、なんっ、なんで剣持さんが!?」
「会いたくて来ました、って言ったら驚きますか?」
冗談ですよ、といたずらっ子の様に剣持さんは言う。
この人は、こうやって私をすぐからかう癖でもあるのかななんて思っちゃう程、からかわれている気がする。
「俺が呼んだんすよ!今日Aちゃんと俺の上がり一緒だから、みんなで遊んだら楽しそうだなって!」
「僕とAさんは連日ですけど楽しいし良いかなって思ったので」
「急すぎませんか!?えっ、遊べるのは嬉しい、ですけど…」
初めて出会った試合の日や、昨日のデートの時は少し気合いの入ったメイクだったので、今日のナチュラルという名の雑メイクと、後れ毛を巻いただけの雑ポニーテールで剣持さんの前に顔を晒しているのがとても恥ずかしくなる。
私がモゴモゴしていると、お客さんが呼ぶ声が聞こえた。
「俺行ってくるんで、2人で話してて大丈夫っす!」
ガッくんはそう言って、営業スマイルでお客さんの方へ消えていく。
なんだか、試合の時にリリちゃんに2人になるように取り残されたことを思い出す。デジャブってやつ…
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さえ(プロフ) - とても好きです…終始どきどきしちゃいました…!ここまでのめり込んで一気に読み進めてしまった夢小説は初めてです( ; ; )続きも楽しみです〜! (2022年7月30日 5時) (レス) @page30 id: 2b507589db (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - もう本当に最高です、、この年の夏はこの作品を読んでキュンキュンします、、!次の更新も楽しみにしています! (2022年7月14日 2時) (レス) @page30 id: 1248570467 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - はじめまして、コメント失礼します。設定タグをご本人様の名前含め、検索除けタグのみに変更お願いします。デリケートな界隈なので対応のほどよろしくお願いします。変更終わりましたらコメントの方は消していただいて構いません。長文失礼しました。 (2022年5月15日 22時) (レス) id: 2518b8b23d (このIDを非表示/違反報告)
いな(プロフ) - すごく面白かったです!久しぶりにめっちゃドキドキしました‥!剣持の小説あんまりないのですごく助かります。更新大変だと思いますが頑張って下さい応援してます!! (2022年3月16日 1時) (レス) @page26 id: f1af487042 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです!!! (2022年3月7日 22時) (レス) id: 74bdb3d0ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かへ | 作成日時:2022年1月26日 15時