犬系男子の攻略法【inar】

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わかってる。
わかってるけど…タイミングが難しい…

昼休憩時にはフラフラどっか行っちゃうし
隙なんて全然ない。

「…有岡…」

「…呼びましたか、？」

うお！？有岡！！！
やっと話せるｯ！

「あ、あの！昨日のは…」

昨日のは本気の俺の気持ちだと伝えようとしたとき、
有岡は眉毛をハの字にして小さく笑った。

「わかってますよ、ほんのちょっとの気の迷いでしょう」

「違ｯ」

「…迷惑です、中途半端な恋なんて」

そんな顔で言われたらなんも言えないじゃないか…。

中途半端な恋。
そんな恋心なんて俺にはないよ？

「有岡…好きだ」

「…ｯ…」

「好き、好きだよ…そんな悲しそうな顔しないで…」

「…俺は、先輩なんて嫌いです。」

「…うん、それでも俺は好きだよ」

有岡はついに目から大粒の涙を溢した。

「…せんぱいは嘘つきです。」

「嘘なんかついてないよ。これは俺の本当の気持ち」

「…ｯ俺、前にも言いました…高木が好きなんです…」

やっぱりあれは本当に好きだったんだ
他からは遊び相手として好きって思われていたみたいだけど、俺はわかってたよ。

「それでもいいよ。俺が有岡を好きなのに変わりはないから、」

「…ｯ。変な人です、先輩は」

そういって泣きながらクスクスと笑った。

すごい可愛い。抱き締めたくなる。
だけどダメ。ガマンガマン。

抱き締めるのは俺じゃないんだから。

「…あぁ、そうだ。ケータイの番号教えてよ有岡」

「…なんでですか、」

「だって、不便じゃん。辛くなったら優しい上司の俺が慰めにいってあげるから」

「…なにいってるんですか、」

そういいながら、有岡は自分の名刺の裏に電話番号とLI⚪EのIDをかいてくれた。

「ありがとな」

「いえいえ、先輩も辛くなったら俺を頼ってくださいね」

「…おう」

辛くなるのは多分君とのことでなんだけどね。
言わないけどさ…。

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