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episode40 ページ42

耳元で確かに聞こえたその言葉は到底信じられなくて、私の時間が止まってしまったようだった。


傾いた陽が、開いた襖からこの薄暗い部屋に差し込み私と彼を寂しく照らす。


それから、少しばかり時間が過ぎて総悟くんはようやく言葉を発した。



沖「本当はこんな事言ったらいけねェんだ。なんたって俺達友達なんでね。俺はお付きの人なんでね」



自嘲的な笑みを浮かべながらそう言う彼の口から出た友達という言葉に再び、胸が痛む。



貴「友達じゃ嫌です。友達でもないお付きの人でもない、今のままじゃもう、満足できません……」



気付けばいつの間にか、目からは涙が溢れていた。


泣いたのはいつぶりでしょうか。


自分の本音をこんなにちゃんと誰かに伝えられたのは、いつぶりでしょうか。



沖「ったく、我が儘な姫さんな事で。これだから温室育ちは困るんでィ」



今度は先程とは違って、今まで見た中で一番、優しくて柔らかい笑顔を見せてそう言った。


それから直ぐに私の体は暖かい温もりで包まれた。



貴「そ、総悟くん。くすぐったいです……」



彼の髪の毛が私の肌に当たる。



沖「いつか絶対に、どんなに時間が掛かるかは分からねェが、絶対にAの事を幸せにしてやる」



貴「本当に、貴方はずるいです。反則です……」



私の頬に再び、涙が流れて落ちた。


今、この瞬間が永遠に続いたらどんなに幸せだろうか。


そんな事を考えてしまう程に嬉しかったのです。

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設定タグ:沖田総悟 , 銀魂 , 真選組   
作品ジャンル:アニメ
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アカネ(プロフ) - りりぽん♪さん» ニコルさん!お久しぶりです( ´ ▽ ` )ノこちらの作品は完結しましたが、掛け持ちの方を頑張っていこうと思います!ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o))) (2016年2月28日 10時) (レス) id: 7124c7ef55 (このIDを非表示/違反報告)
りりぽん♪ - (元ニコルです)面白かったです!(*´▽`*)/会話の雰囲気とかまんま銀魂で流石アカネさんだな~と思いました!(笑)これからも頑張ってください! (2016年2月28日 0時) (レス) id: bd5f2bd347 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - お豆腐さん» コメントありがとうございます!ファンだなんて、、!嬉しすぎます(((o(*゚▽゚*)o)))楽しんでいただけてよかったです!これからもよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ノ (2016年2月11日 21時) (レス) id: 7124c7ef55 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - リズさん» コメントありがとうございます!そんな風に言っていただけるととても嬉しいです!最後まで読んで下さり本当にありがとうございました! (2016年2月11日 20時) (レス) id: 7124c7ef55 (このIDを非表示/違反報告)
お豆腐 - 最後の最後までよかったです!!ファン第1号としてこの作品読めて本当に楽しかったです!!素敵な作品ありがとうございました!!!次また作品作るときは必ず見ます!!( ^∀^) (2016年2月11日 13時) (レス) id: fa094e41b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカネ | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/putisannpuru/  
作成日時:2015年12月8日 22時

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