お付きの人は沖田さん【沖田総悟】

episode13 ページ14

貴「わ〜。どれもこれも美味しそう。迷っちゃいます」


沖「経費で落としとくんで好きなだけ食べてくだせェ」



私は今、念願のファミレスという所へ来ています。


メニューには美味しそうなお料理の写真が沢山乗っていて、どれにしようか迷ってしまう。



貴「沖田さんは決めました？」


沖「俺は適当にハンバーグでも食いやす」


貴「では私もこの目玉焼きハンバーグというのにしてみます」



私がメニューの写真を指差して言うと、沖田さんはボタンの様なものを押していた。



貴「何を押したのですか？」


沖「あぁ、これね。これ押すと料理がやって来るんだぜ」


貴「そうなんですかっ。すごい……」



私が驚いていると、ウエイトレスの方がやって来て私達に注文を聞く。



沖「えーっと、ハンバーグと目玉焼きハンバーグ1つずつで」



沖田さんはとても慣れていて当たり前のように注文を済ませると開いていたメニューを閉じた。



貴「沖田さん！このボタンを押すとお料理ではなくて、店員さんがやって来るのですよね？」


沖「そうだぜ。アンタすぐ信じちまうから見てて飽きないぜ」


貴「もー……」



沖田さんって意地悪な人。


今だって私がさっきのことを信じ切っていたのを見て楽しんでいる見たいだし……。



沖「まぁそう拗ねないで」


貴「拗ねてなんかいませんー」



口ではそう言いつつも態度はどう見ても拗ねているようにしか見えなくて。


何だか負けた気がして、少しだけ悔しかった。

episode14→←episode12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す