無敵の父【東京卍リベンジャーズ】 (ページ8)

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憧れ7 ページ8

マイキーside

「おい、これ」
「やべぇんじゃねーの！？」

何故かシンイチローから聞いた話を思い出した。

『父さんはバイクが好きでさ、いつもバイクで移動してたんだよ』
『偉い人は組の人間が送り迎えして、組長自ら運転するなんて無いのにさ』
『父さんは自分のバイク乗って、それがすっげぇかっこいいんだよ』
『組の人たちも父さんみたいにバイク乗り始めてさ』

笑いながら話してくれた話。

倉庫の入口にバイクが一台と人影。
その後ろにもバイクが何台もあった。

入口にいた人は、
今どき珍しい和装に、長めの黒髪を簪でまとめ、手に煙管を持ち、煙を吐く。

「と、う...さん」

来てくれた、俺の無敵のヒーロー。

「てめぇら、誰の息子に手ェ出してんだ？」

さっきまでケタケタと笑っていた奴らは
顔が青白くなっていて、さっきの俺みたいに身体が震えていた。

「う...うあぁぁぁぁ！！！」

金属バットを持ったやつが父さんに向かって叫びながら走っていった。

「これで終いだ！佐野ォ！！」

振り上げたバッドが父さんに当たる。
その直前、

「おせェな」

父さんが足を振り上げ、バッドが音を立てながら飛んでいった。
それにビビったのか、他の奴らが少しよろけながら走って逃げていく。
でも、逃げた先には父さんの組の人達が居て捕まった。

「親父、こいつらどうしますか」
「連れてけ、後で俺も向かう」
「はい！」

そう言うと父さんは俺の前まで来て縄を解いてくれた。

「大丈夫か、万次郎」
「.........平気だし」
「そうか、よく頑張ったな」

そういって俺を抱き寄せて頭を撫でてくれた。
父さんの体温に安心して涙が溢れて止まらなくなった。

「おれ、がんばったんだ」
「うん」
「怖かったけど、目をみて、言えたんだ」

泣きながらで、うまく言えなかった俺の言葉も
父さんはちゃんと聞いてくれて、相槌をしながら
頭を撫でてくれた。

俺を助けてくれたヒーローは
喧嘩が強くて、かっこいい
無敵の父だ。